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羽生善治氏 講演会 [講演会]

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2018/01/20
なかの21市民講座「羽生善治氏講演会」(15:00-16:30)

以下、講演会を自分なりにまとめました。
良き講演会を開いて頂きましてありがとうございました。

先見力と決断力
(日々の小さな決断の連続が続いている)

直感を使う
対局は30通り~200通りの手の読みがあり平均80通りぐらいは考えている。
その中から2,3つの手を選ぶ。
カメラのピントを合わせるのとよく似ている。
一つの局面で、ここが中心、要を過去の習得したものと照らし合わせ、
1秒の時間の中で、進む手筋を3つ選ぶ。
一所懸命にやった過去の習得に対しては直感を働かせる。 先を読む,未来を考えるに直感を働かせる。

数の爆発について
自分が3手の筋が見れば、相手も3手の筋を見ているから合計3x3で9通りの手筋を考えることになる。

そうすると10手先には3の10乗で合計6万通りの可能性がある。
あまりに多くて決断が下せなくなる。これが数の爆発である。
これの対策として次の直感・読み・大局観がある。

直感・読み・大局観について
木を見て森を見ずという視野が狭くなってはダメ、大局を見ることが大事。 流れを把握するに、直感、読み、大局観の3つは常に頭に置く。 大局観は無駄を省くことが出来る、思考を省略させるためである。
160人の棋士がいるが若い人は読み中心、年齢がいけば直感、大局観を感覚的に用いる。

長考について
対局は朝の10時から夜中の1時頃までかかるときがあるが、昔から言われているように
「長考に好手なし!」と言う言葉がある。
対局を始めて30分ぐらいは3手筋の積み重ね、それ以降はためらい、恐怖が多い。後は将棋とは関係ないことを考えている。
一つの局面で4時間考えたことがあるが、5秒考えたのと同じ手だった。
長考は己の調子のバロメータだ。バイオリズム、波などは将棋の世界では存在する。

不調について
運、ツキは楽しいことと捕らえる。
一喜一憂はしない、これにかまけると本来のことがおざなりになる。
験(げん)を担ぐことはしない。(げん=吉兆を暗示する出来事)
多少気にはなる。自分が不調なのか見極める。
不調とは実利が出てないこと。結果が具体的でない。 やっていることを変えないで気分を変えてみる。 生活にアクセントをつける。趣味、早起き、アクセントをつけ不調を乗り切る。

楽しんでプレイすることが大事。
リラックスして楽しんでいるとき無駄な力が入らない、円滑である。
こんな時、持てる力が発揮できる。
プレッシャーがかかったら、以下の3分類になる。
1.今が最悪ではない、やる気はある証拠。
2.緊張(ガチガチ)
3.やる気なし 、これが最悪。
プレッシャーがかかっていると言うことは、良いところまで来ている。
8合目にいる、何かしらの手応えがあるからプレッシャーがかかる。

例として、ある作家は追い込まれて、能力が花開く。
締め切りで追い込まれることによって、深く集中して良い作品を書く。
公式戦で切迫時に良い考えが出る。
良い緊張=身が引き締まる
悪い緊張=身がこわばる

記憶について
棋士にとっては100手から200手を記憶するのは簡単、実に簡単。
リズム、テンポ、にのって記憶できる、歌を覚えるのと同じ。
幼稚園児と対戦したことがあるが、彼らは、先が見えない、混沌としている、独創的である。園児の先を読むのが難しい。
将棋は81マス、5秒で配置を覚えられる、
図形で記憶する、一つの塊として記憶する。
大事なところは復習する、そして長期の記憶として蓄積する。
マジックナンバーセブン±2=人が短期記憶で記憶できる情報の塊の数
どんな人でも短期の記憶は出来る、文字の20桁、30桁は練習で覚えられる。
五感を使うと覚えやすい。

コンパクトの思想
将棋の起源はインド、西へ行ってチェストなり、東に行って将棋となった、
1000年~1500年前、交易によって入ってきた。
金銀財宝、香辛料と駒が証明している。(金、銀,香車は駒の名前)
奈良の興福寺にある資料が日本では最古。
今のルールは400年前江戸時代にできあがった。
歴史には淘汰がある、つまらないものは廃れる、面白いものは盛んになる。
駒の力を強める(駒の動ける能力を多くする)か、将棋盤のマス目を多くするか。
将棋はエッセンスを小さくコンパクトにまとめて、81マス、40個の駒となった。
ガラパゴス的進化。抽象的にすることによって、より深い情感を持たせる。茶道もしかり。
小さくコンパクトに限られた表現形態、時代によって異なるが、根本は1000年昔と同じ。



原田康夫先生、3手の読み
1手目は自分なので簡単。
2手目の相手の手筋を予想するのが難しい。
2手目の分岐で勝負が決まってしまう。
相手はどういう価値観か、発想なのかを読み解く。

ミスについて
年に1回くらいはうまくいくが、後はミス。
同じミスは重ねないように注意する。
以前ミスをして血が逆流するほどの感覚を覚えた。
気がつかなかった、しかし大局中は冷静さを保たねばならない。
ミスをしたら、一服する、リフレッシュする、そして又考え直すと良い。
反省、検証はすぐやってはいけない。今の局面に集中すること。

データ第一主義の方法もある
映画の「マネーボール」があったが、データだけで選手を選んでいく。
統計、確率等のデータだけによって判断する。
ワインなどもデータで質、味を上げていく。
データをきめ細かく調べ上げて対局に向かう。

インターネットによって地域差がなくなった。
コンピュータの活用勉強で新たな発想、新たな差し手が生まれる。
人間と機械、機械は暗い夜でもデータだけを頼りに進んでいける。

白石耕治さん。
ヨット、リアルタイムの風向き、天候、方向
今日は行けるとと思ったら過去の経験で進む、
違和感があったらセオリー通り進む。

「いろんな長さの物差しを持て」
先を見通す、決断
過去の経験と照らし合わせる 今まで体験したことのない状況に親しむ、安全は第一だが。 経験したことのないことに身を置く、磨かれる、いろんな場面を見る。 これから、見えないものを楽しんでやっていく。
10手先を読む。
現実的には10手先は読めない。想定外、考え直す。
大局を見て方向性を間違えなければ、良しとして進む。
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