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喜びも悲しみも幾年月 [映画]

喜びも悲しみも幾年月
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灯台から嵐の海を見るきよ子
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灯台の四郎ときよ子
この映画のウィキペディアの解説はつぎのとおりである。

海の安全を守るため、日本各地の辺地に点在する灯台を転々としながら厳しい駐在生活を送る灯台守夫婦の、戦前から戦後に至る25年間を描いた長編ドラマである。

1956年に雑誌掲載された福島県塩屋埼灯台長(当時)田中績の妻・きよの手記から題材を得て、木下監督自身が脚本を執筆した。全編に渡りカラー映像で撮影され、単なるホームドラマの枠を超えて日本各地の美しく厳しい風景を活写した大作で、公開当時大ヒット作となり、同年の芸術祭賞を受賞した。

若山彰の歌唱による同名主題歌の「喜びも悲しみも幾歳月」も大ヒットし、後世でも過去の著名なヒット曲としてしばしば紹介されている。

観音崎、御前崎、安乗崎、野寒布岬、三原山、五島列島、瀬戸内海の男木島、女木島など全国でロケーション撮影を敢行し、ロードムービーの一種としても楽しめる作品である。

後年、3度に渡りテレビドラマ化されたほか、1986年には木下監督自身により時代の変化を加味したリメイク版『新・喜びも悲しみも幾歳月』も映画化されている。


以上がウィキペディアの解説である。誠にこれ以上申し上げる事はないのであるが、私の感想を付け加えたい。

最初の「喜びも悲しみも幾年月」が製作されたのは1957年(昭和32年)で今から58年も昔のことである。

昭和生まれの人間にしかこの感動は伝わらないのだろうか?
戦前、戦中、戦後と激動の時代を生きて、まさに、まさに喜びも悲しみも幾年月である。

戦争は殺し合いでしょ、戦争をしてない私や子供まで死ななきゃならないのでしょうか?
子供は私たちから遠く離れても、どこかで幸せになっていればいいじゃありませんか?
これらの疑問は、まさにその通りできよ子の心根がこちらに響き渡る。
まことに共感できる心情です。

ドラマチックに回転する灯台のレンズと灯り、 それとともにこの歌が流れると胸がキューとなってしまう。

年を数えて波の音聞いて、
共に過ごした幾年月の、
喜び悲しみ目に浮かぶ、目に浮かぶ。

キャスト[編集]
有沢四郎  :佐田啓二
有沢きよ子 :高峰秀子 
有沢雪野  :有沢正子
有沢光太郎 :中村賀津雄
野津    :田村高広
真砂子   :伊藤弘子
名取    :北竜二
名取進吾  :仲谷昇
進吾の母  :夏川静江
藤井たつ子 :桂木洋子
観音埼手塚台長:小林十九二
郵便局長  :坂本武
金牧    :三井弘次
糸子    :井川邦子
きよ子の母 :岡田和子
金牧の妻  :桜むつ子
石狩灯台木村台長:明石潮
佐渡大場台長:夏川大二郎
二川無電士 :磯野秋雄

スタッフ[編集]
監督・脚本:木下惠介
撮影   :楠田浩之
音楽   :木下忠司
美術   :伊藤熹朔、梅田千代夫
主題歌  :「喜びも悲しみも幾歳月」
作詞・作曲:木下忠司
歌    :若山彰
後援   :海上保安庁


一生着続けられる服を作る!「繕い裁つ人」 [映画]

映画 「繕い裁つ人」 CIMG8044.JPG

繕い裁つ人、これは洋服の仕立屋さんのことだ。

私は今まで何回か洋服屋さんに行って、オーダーメイドのスーツを作ってもらったことがあるが、そういう仕立て屋さんにも、それぞれドラマがあるのだろう。

映画では祖母が始めた洋服屋さんの後を継いで、地道に仕立てをする人がいた。先代の仕事に対するこだわりをも引き継いで、一生着られる服をつくるという試みだ。

着る人に寄り添って作られている服、
一針、一針心を込めて作る。

その人の人生と10年、20年寄り添っていく
これ以上の幸せはないと市江(いちえ=中谷美紀)は思っていた。
そこへ、その服をブランドにしないかと話を持ちかける男がいた。彼は藤井さん(=三浦貴大)という人で、市江が作る服を見て
ハッとしたという、「自分は本当に服が好きなのか?」と自分の職業に疑問を持ったようだ。勿論、その服が個性的で人を引きつける何かがあると感じたからだ。

それ以来藤井は何度も市江の所に通いブランド化を説得した。
市江の答えはいつも同じかった。
「そのつもりはありません」と。

しかし、徐々に彼女にも変化があった。
「誰かのための一着を作りたい、そしてそれは先代を越えて。」
と思うようになっていった。

映画を見終わって私は石川啄木の短歌を思い出した。

こころよく
我に働く仕事あれ
それをし遂げて死なんと思う




監督:三島有紀子
原作:池辺葵
脚本:林民夫
製作:横澤良雄
   水口昌彦

キャスト 配役
中谷美紀:南市江
三浦貴大:藤井

製作年:2015年
製作国:日本
配給 :ギャガ

心の詩に乗った風景、DVD映画「人間の証明」 [サスペンス]

映画「人間の証明」

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昭和の時代、森村誠一の書いた推理小説に「人間の証明」なるものがある。これが映画化されている。

日本とアメリカニューヨークを飛び回った刑事(=松田優作)と戦後の混乱とアメリカ進駐軍兵士の関係、その間の母性的な心情を西条八十(さいじょうやそ)の詩に託して叙情詩的な日本人の感性をきれいに描いた「人間の証明」は当時、大変な好評を博し、戦後とバブル崩壊の間にあった元気な昭和時代を象徴する映画になった。
角川書店は大変な意気込みだった。テレビでこのCMを何回もみて、「あの麦わら帽子はどうしたでしょうね」と台詞まで覚えてしまった。

登場人物に有名な人たちがこれほどそろったのかと驚く。
今は亡き人、引退した人、まだ現役の人もいる。
とても懐かしく観せてもらった。

キリズミで投げた帽子が、とても優雅に、心の詩に乗った風景はいつまでもいつまでも人の心に残るだろう。


監督 :佐藤純彌
脚本 :松山善三
製作 :角川春樹
    吉田達
    サイモン・ツェー
出演者:岡田茉莉子
    松田優作
    ジョージ・ケネディ
音楽 :大野雄二
主題歌:ジョー山中
   「人間の証明のテーマ」
撮影 :姫田真佐久
編集 :鍋島惇
製作 :角川春樹事務所
配給 :東映
公開 :1977年10月8日


胸がキューンDVD映画「シンデレラ」愛と勇気 [映画]

シンデレラ
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ディズニィー映画で「シンデレラ」の実写版を観ました。

子供の頃、絵本で読んでもらった内容より、一つ前の場面から始まっていて、シンデレラと意地悪な姉妹や継母の関係がわかり、なぜあんなに意地悪なのか判りました。

それから杖をふるってさまざまな魔法を起こす力を持っている素敵なゴッドマザー。
シンデレラの実の母親がゴッドマザーを信じて敬っていた。
ゴッドマザーは意外とそそっかしく、時にはミスをする。が、
魔法でエラを美しく変身させ、舞踏会に送ってくれる。

しいたげられていたシンデレラ(=エラ)が、王子様に見初められ、宮殿での舞踏会、そして求婚という、最低の場所から最高の場所に上り詰めたこの落差の浄化作用、ここが見所なんですね。

ストーリーも知っているのに、この場面になると胸がキューンとなってしまうのは不思議ですね。
さすがディズニーですね。もしかしたら、ここでハンカチが必要かも知れません。

「ありのまま」に続いて今回の言葉は「勇気と愛」ですね。

ディズニー映画は安心して見ていられるので、こういうのもたまにはいいですね。


監督 :ケネス・ブラナー
脚本 :クリス・ワイツ
製作 :サイモン・キンバーグ
    デヴィッド・バロン
    アリソン・シェアマー
出演者:リリー・ジェームズ
    ケイト・ブランシェット
    リチャード・マッデン
    ステラン・スカルスガルド
    ホリデイ・グレインジャー(英語版)
    デレク・ジャコビ
    ベン・チャップリン
    ソフィー・マクシェラ(英語版)
    ヘイリー・アトウェル
    ヘレナ・ボナム=カーター

音楽 :パトリック・ドイル
撮影 :ハリス・ザンバーラウコス
編集 :マーティン・ウォルシュ
製作 :ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
配給 :ウォルト・ディズニー・スタジオ・
    モーション・ピクチャーズ
公開 : 2015年
製作国:アメリカ



恋は人生の花 DVD映画「香華」岡田茉莉子の魅力 [映画]

映画「香華」(こうげ)
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映画の中で岡田茉莉子が恋人のことを胸に抱き(=頭に思い)一目散に小走りに走る様は女優らしい一面であり、思いを躰全体で表現している、言葉はいらない、特に「香華」や「秋津温泉」では絶妙である。

仕事とは言え、実生活の家族、家庭のことは頭から消えて、配役になりきることは考えようによっては役者にとって過酷なものではないでしょうか? 身は一つであるのに配役ごとに、いくつもの人生を行うからです。

以前、岡田茉莉子のインタビュー映画の中で、岡田さんは「演じているときは他のことは頭にない」とのことでした。
配役を演じることナシに演じることができる俳優は理想ではありますが、多くの役柄は受け持てないでしょう、まあ、それでいいのかも知れない。監督の方はこの役だったら彼に、こちらの役だったら彼女にと振り分ければいいのだから。

前置きが長くなりましたが、本題に入ります。
香華(こうげ)とは辞書を引けば、仏前にそなえる香と花と説明されています。
映画の中でも朋子(=岡田茉莉子)が最後に庭に咲いた花の枝を2つ子供に折ってもらい、仏前に手向けました。
死んでからしか思う人は自分の中に納まらないと思えるようでした。

映画は彼女が物心つく頃から(明治末)始まって晩年(昭和39年)までの波乱の人生を描いたものです。
売り飛ばされるような形で花柳界に入り、芸子になるため芸を習い覚え、芸者の頂点まで上り詰め、若い軍人に恋をして、結婚を約束するが、彼女の親がかつて遊女であったことから破談となり、日陰の身で生きるのは金輪際いやだと、旅館の女将となって生きる。

かつての恋人、心に一人いた軍人に会うため百度参りをして巣鴨の拘置所に駆けつけたが、言葉も交わさず一目見ることしか許されなかった女の悲しみを追います。

「恋は人生の花、それ以外花はない」とは坂口安吾の言った言葉ですが、朋子の人生はこの「花」を求めた一生でした

この映画は岡田茉莉子の代表作としてもいいのではないでしょうか。
監督はさすがの、木下恵介です。


スタッフ
• 監督・製作・脚本:木下惠介
• 製作:白井昌夫
• 原作:有吉佐和子
• 撮影:楠田浩之
• 音楽:木下忠司
• 美術監督:伊藤熹朔
• 照明:豊島良三
• 録音:大野久男
• 編集:杉原よ志
キャスト
• 朋子:岡田茉莉子
• 郁代:乙羽信子(東宝)
• つな:田中絹代
• 太郎丸:杉村春子
• 江崎:加藤剛
• 野沢:岡田英次
• 敬助:北村和夫
• 叶楼々主:柳永二郎
• 女将:市川翠扇
• 杉浦:菅原文太
• 呉服屋の番頭:桂小金治
• 神波伯爵:宇佐美淳也
• 大叔父:村上冬樹
• 宇治みさ子
• 北見治一
• 草野大悟
• 野村昭子
• 中村たつ
• 赤沢亜沙子
• 関口銀三
• 大滝:新克利
• 長山藍子
• 青山万里子
• 八郎:田中晋二→三木のり平(東宝)
• 村田:内藤武敏
• 安子:岩崎加根子
• 江崎の妻:奈良岡朋子
• 江崎の息子:田村正和,松川勉
• 万代峯子(東宝)
• 野々村潔
• 平松淑美
• 浜村純
• 稲葉義男
• 可知靖之
• 林家珍平

• 作成会社:松竹
• 公開:1964年

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