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世界を救うDVD映画 婦系図(おんなけいず) [映画]

婦系図(おんなけいず)
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初めこの題名を見たとき、婦の字を「オンナ」とは読めなかった。耳からは、泉鏡花の代表作「オンナケイズ」と聞いてはいたが。

しかし、泉鏡花は女ではなく婦(オンナ)と読ませたかったのだろう。ここに、作者の婦(オンナ)に対するこだわりがあると想像される。

話は明治40年の昔にさかのぼる。1907年だから日露戦争が終わって間もない時代だ。

作者のオンナに対する身分が当時は受け入れられなく、そのギャップを描いたのがこの作品だと思える。それは時代がまだ民主主義の思想が幼かったせいでもある。

昔、スリの少年が先生の懐中時計をすったところを発見され、その先生は少年を書生として自分の手元に置いて教育した。

少年は先生の理想通り成長して、今やドイツ文学を修め、明治時代の官僚、参謀本部に就職が決まった。世の中に出て、どこから見ても当時は立派な地位である。

書生時代、先生の家には娘がいて、この娘も母親の育て方が立派であったことから、よくできた人(=良妻賢母の鏡)に成長した。良い女性はどの時代でも良い。

当然の事ながら、この二人は結婚の道に進んでも良かったのであるが、作者はそうは考えなかった。市井(しせい)の芸者に恋をしたのである。これが悲恋物語になっていく。

ここからの展開は皆さんにお任せすることにしたい。

泉鏡花は文字から魔法のような文章を作る神様のような人だが、映像にするとその良さが薄れてしまいがちだ。が、この婦系図の映画は成功した作品といえる。これも監督の腕前かも知れない。

この中に息づいている人々の心の思いは、時代が変わっても今の時代に通じるものが有る。

映画の中に市川雷蔵が出てくるが、「大菩薩峠」や「眠狂四郎」とは違った面が見れて面白い。



スタッフ
監督:三隅研次
脚色:依田義賢
原作:泉鏡花
企画:鈴木晰
成製:作永田雅一

キャスト
市川雷蔵  早瀬主税(はやせちから)
万里昌代  お蔦 (おつた)
船越英二  めの惣
三条魔子  妙子
木暮実千代 小芳

製作年:1962年
製作国:日本
配給 :大映
資料 :株式会社キネマ旬報社資料参照






世界を救うDVD映画「四万十川」(しまんとがわ) [映画]

四万十川
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この映画が製作されてから久しい。
古き良き昭和時代(昭和30年代を撮影したもの)の傑作と言える。
アツと呼ばれる少年、これは私の少年時代だ! 
これはちょっと言いすぎか。

少年時代には、それ相応の人生がある。
成人した人にも勝るとも劣らない世界がある。
監督はそれをよく引き出してくれた。

映画の底流には四万十川が大きく影響している。
心が折れそうになったとき、
川の流れる橋の土管の中で自分の心を解き放つ。
自分の心と正直に向き合える、
四万十の自然が優しく包んでくれる、無言で。
また、台風で家が壊され流れそうにもなる。

喜びも悲しみも四万十川に守られて
人の心が揺れ動き、たくましくなっていく。

あなたもきっとこの映画を見て、一時的にも
時間を忘れるでしょう。


(以下は weblio辞書 参照)
製作国: 日本
製作年: 1991
配給: ヘラルド・エース=日本へラルド映画

スタッフ
監督: 恩地日出夫 オンチヒデオ
製作: 鍋島壽夫 ナベシマトシオ
プロデューサー: 猪崎宣昭 イザキノブアキ
原作: 笹山久三 
脚本: 古田求 フルタモトム
撮影: 安藤庄平 アンドウショウヘイ
音楽: 毛利蔵人 
美術: 斉藤岩男 サイトウイワオ
編集: 小川信夫 オガワノブオ
録音: 辻井一郎 ツジイイチロウ
スチール: 笹田和俊 
助監督: 三池崇史 ミイケタカシ
照明: 佐藤幸次郎 

キャスト(役名)
樋口可南子 ヒグチカナコ (山本スミ)
小林薫 コバヤシカオル (山本秀男)
山田哲平 ヤマダテッペイ (山本篤義)=アツ
高橋かおり タカハシカオリ (山本朝子)
小島幸子 コジマサチコ (浅野千代子)
石橋蓮司 イシバシレンジ (青木先生)
菅井きん スガイキン (ハル)
佐野史郎 サノシロウ (田村)
ベンガル ベンガル (杜夫)
絵沢萠子 エザワモエコ (はる江)
中島葵 ナカジマアオイ (タケ)
奥村公延 オクムラコウエン (義一)
芹明香 セリメイカ (邦子)


世界を救うDVD映画「セッション」 [映画]

セッション

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どういう間違えか、「セッション」というDVD映画を借りてしまった。アクションものと思って借りたのだが。

私は、ジャズが音楽の一分類としか思っていない、
ジャズには全くの、ど素人ですが、
このDVDを見て思いが変わった。

演奏は生き物だという認識になった。
一人のドラマーが曲に食い込んでいく。
すると今まで寝ていた曲の主がムックリと起き上がり踊り出す。

また、演奏の環境は戦場だとも言える。
駆け引き、出し抜き、暴言の数々、
しかしそこで戦って、曲の主を踊らせてしまったらこっちのもの。
指揮者も他の演奏者も曲の主について行くしかない。

また、これをみて、どんなに張り詰めた思いで演奏しているのか、
本物になるには、どのような心の葛藤があるのか少しわかりました。

監督:デミアン・チャゼル
脚本:デミアン・チャゼル
製作:ジェイソン・ブラム
   ヘレン・エスタブルック
   ミシェル・リトヴァク
   デヴィッド・ランカスター
指揮:ジェイソン・ライトマン
   コウパー・サミュエルソン
   ゲイリー・マイケル・ウォルターズ
出演:マイルズ・テラー
   J・K・シモンズ
音楽:ジャスティン・ヒューウィッツ
撮影:シャロン・メール
編集:トム・クロス
製作:ボールド・フィルムズ
   ライト・オブ・ウェイ・フィルムズ
   ブラムハウス・プロダクションズ
配給:ソニー・ピクチャーズ・クラシックス
公開:2014年10月10日
製作国:アメリカ合衆国

配役:
アンドリュー・ニーマン - マイルズ・テラー
テレンス・フレッチャー - J・K・シモンズ
ジム・ニーマン - ポール・ライザー
ニコル - メリッサ・ブノワ
ライアン・コノリー - オースティン・ストウェル
カール・タナー - ネイト・ラング

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