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地球を救うDVD映画「雨の午後の降霊祭」 [サスペンス]

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   雨の午後の降霊祭

 SEANCE ON A WET AFTERNOON
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まず降霊祭というものを理解しなければならない。

言葉の意味は、異界の霊が人間の世界に降りてくるとされる現象。また、霊媒師などが霊を呼び寄せること。
或いは、死者の霊魂を呼び寄せること。
というのが普通の解釈である。

霊の世界が通常的に信じられた時代も過去にあったが、
現在では信じる人は希薄である。


さて、話はイギリスのことである。
子供を切望していた母親が、不幸にも死産となってしまった。
母親は気が狂わんばかりの悲しみに沈んだ。


そのうちに彼女の心の中は子供は死んでしまったのだけど生きているという構図がつくられた。

子供の名前はアーサー、降霊祭で母親は彼に会うことが出来、彼の意思も理解できるとしていた。

夫は悲しむ妻を見てあからさまにそれを否定することは出来なかった。


妻の心の中は、どんどん増長して霊媒師なるものになり、近隣の悩める人々を救うために週一回、自宅で降霊祭を開くまでになった。


ろうそくの炎が垂直に昇る静かな部屋で4,5人がテーブルに座り互いの手をつないで輪を作り、邪心をすべて捨て心の中を開くのである。時にはそこに彼女が心を通わせた対象が現れるのである。


彼女自身、霊媒師としての自分を信じていたし、また霊媒師としてみんなから尊敬されたいとも思っていた。


あるとき、彼女は一計を企てた。夫に子供を誘拐させ、身代金を取り、数日家にかくまい、後に解放する、それによって霊媒師として、子供の様子をみんなに話し尊敬を集めるというもので、子供も身代金もあとで返すという事だった。


妻は綿密に計画を立てた。何度も練習し修正し最終的には完璧な華麗な誘拐だと自負していた。夫は戸惑いながらも妻の言うとおりに動いた。

夫は、計画通り巧みに誘拐を実行し、子供や警察、身代金相手と渡り合うが、心中恐ろしさの連続だった。
BGMの木琴の音は夫の心臓の鼓動だ。


妻は夫に話す。
「私の霊媒師としての能力は世間から軽視されてはならない。」
「私を愛している?」
「私の所しかあなた帰るところがないでしょう?」
「アーサーの存在は私だけが感じることが出来るの」
「私を愛している? あなた私が必要なんでしょう?」
「あなたが帰る場所は私の所しか無いの。」
「私に約束したよね、覚えている?」


夫は肯定するが「事態が手遅れになる前に妻を召したまえ」と神に祈る。
妻の言動は常軌を逸していると感じていた。


誘拐は成功した。身代金も奪った。
とうとう罪を犯してしまった。


降霊祭の日、誘拐された少女の母親が出席した。
妻は喜々として「彼女を救えるのは私だけよ。私の実力を証明するときが来たのよ」という。

夫は、私達は異常だ。いや異常どころではない。


アーサーの存在は実は少女が霊媒師とアーサーの間に入ることによって存在していた。
(霊媒師⇔少女⇔アーサー)
要するに、少女はアーサーと霊媒師の媒介だった。
あくまでも妻は死んだアーサーと常に一緒にいたかったのだ。だから、媒介としての少女を殺さねばならなかった。


続けて妻は夫に、
「ビリー、今すぐあの少女をさらってきて!
少女を殺すのよ、アーサーが待っているから。
ビリー彼女を殺して!
アーサーが心待ちにしているのよ! 早く!」

夫は大声で言う。
アーサーは死んだんだ!
この世にはいない! これは言わねばならん
私の話を聞け!
アーサーは死んだんだ!


最後に夫はとうとう自分の手に負えなくなった、
それで警察に妻を助けてもらいたかったのだ。


結果的には、警察の警視なる者が登場し、犯人はこの霊媒師だと予想を付け、巧みに霊媒師の心の中に入って行ったのである。
今すぐ、降霊祭を開いてくれと言う。


霊媒師は、降霊祭を開いた。
彼女は涙を流して心の高揚を見せ、真相を語った。
意識が戻ってから夫に聞くのである。

「私どうだった、ちゃんと行えた?」
「ああ、ちゃんとうまく出来たよ!」


夫は一見弱いように見えるが、実は一番強かった、ずっといつもいつも妻のそばにいて見守って愛していたんだとわかる。
振り返ってみればこれもラブストーリーだ。


監督  :ブライアン・フォーブス
共同製作:リチャード・アッテンボロー
原作  :マーク・マクシェーン
脚本  :ブライアン・フォーブス
撮影  :ジェリー・ターピン
音楽  :ジョン・バリー

出演:
霊媒師である妻マイラに扮する:キム・スタンレー
夫ビリーに扮する :リチャード・アッテンボロー

1974年初公開のイギリス映画です。





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