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世界を救うDVD映画 婦系図(おんなけいず) [映画]

婦系図(おんなけいず)
CIMG8385.JPG

初めこの題名を見たとき、婦の字を「オンナ」とは読めなかった。耳からは、泉鏡花の代表作「オンナケイズ」と聞いてはいたが。

しかし、泉鏡花は女ではなく婦(オンナ)と読ませたかったのだろう。ここに、作者の婦(オンナ)に対するこだわりがあると想像される。

話は明治40年の昔にさかのぼる。1907年だから日露戦争が終わって間もない時代だ。

作者のオンナに対する身分が当時は受け入れられなく、そのギャップを描いたのがこの作品だと思える。それは時代がまだ民主主義の思想が幼かったせいでもある。

昔、スリの少年が先生の懐中時計をすったところを発見され、その先生は少年を書生として自分の手元に置いて教育した。

少年は先生の理想通り成長して、今やドイツ文学を修め、明治時代の官僚、参謀本部に就職が決まった。世の中に出て、どこから見ても当時は立派な地位である。

書生時代、先生の家には娘がいて、この娘も母親の育て方が立派であったことから、よくできた人(=良妻賢母の鏡)に成長した。良い女性はどの時代でも良い。

当然の事ながら、この二人は結婚の道に進んでも良かったのであるが、作者はそうは考えなかった。市井(しせい)の芸者に恋をしたのである。これが悲恋物語になっていく。

ここからの展開は皆さんにお任せすることにしたい。

泉鏡花は文字から魔法のような文章を作る神様のような人だが、映像にするとその良さが薄れてしまいがちだ。が、この婦系図の映画は成功した作品といえる。これも監督の腕前かも知れない。

この中に息づいている人々の心の思いは、時代が変わっても今の時代に通じるものが有る。

映画の中に市川雷蔵が出てくるが、「大菩薩峠」や「眠狂四郎」とは違った面が見れて面白い。



スタッフ
監督:三隅研次
脚色:依田義賢
原作:泉鏡花
企画:鈴木晰
成製:作永田雅一

キャスト
市川雷蔵  早瀬主税(はやせちから)
万里昌代  お蔦 (おつた)
船越英二  めの惣
三条魔子  妙子
木暮実千代 小芳

製作年:1962年
製作国:日本
配給 :大映
資料 :株式会社キネマ旬報社資料参照








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