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世界を救うDVD映画「上意討ち(拝領妻始末)」 [映画]

拝領妻始末(はいりょうつましまつ)
CIMG8391.JPG

映画の題名は「上意討ち」(=主君の命を受けて罪人を討つこと)です。
小説の原作題名は「拝領妻始末」です。

私はいままで「拝領」という言葉を物品にだけ使うものだと理解していた。例えば江戸時代に殿様から刀や領地をもらった時に、拝領という言葉を使うのだと思っていた。ところが違うのである。

殿様が家臣に自分の妻を与えるとき、家臣側から見て拝領したと表現するのである。言葉の使い方一つとっても時代の考え方をうかがい知ることが出来る。つまり妻は物品なのでしょうか。

物語に出てくる殿様は、会津若松23万石の主、松平正容(まさかた)である。
この時代、世継ぎがいなければお家断絶となる。そのためお殿様にも側室がいたわけだが松平正容は2人の男子に恵まれた。一人は正室の間に、もう一人は側室の間に。側室は名前を市(いち)といった。殿様はある事件があり、そのとき気性の激しい市に愛想を尽かして暇を出した。

殿様の妻を拝領したのは、300石家臣の笹原家の嫡男、25才になる与五郎である。与五郎へ拝領妻の話がきたとき、やはり、もめにもめた。
(どうして殿様のお下がりをもらわなければならないの?)

当時殿様の話を受け入れなければ、大幅な減給がある、最悪なことになれば、その家がお取りつぶしにもなりかねない。

与五郎は笹原家を考え嫡男らしく妻を拝領した。
与五郎の妻となった市(いち)は、予想以上に夫に、舅、姑によく仕えた。
トラブルがあればそれはみんな自分が至らないからだと徹底していた。

そんな妻を与五郎は可愛く思い、愛した。「お殿様が市に愛想つきされて、そのおかげでこんないい妻をもらった」と喜んでいた。
どこからみても市は嫁の鑑であった。
しばらくして、二人の間には女の子(とみ)が生まれた。笹原家は笑いに包まれた。

こんな幸福のただ中に、不幸が飛び込んできた。
お殿様の正室との間に生まれは世継ぎの男子が病死してしまった。ついては、拝領させた市を返してくれと言うのである。
殿様の言い分でもあまりに身勝手と笹原家では思うのだが、これを聞き入れなければお家取りつぶしとなることは必定だった。

笹原家の中で、与五郎(加藤剛)、その父、伊三郎(三船敏郎)、与五郎の妻、市(司葉子)の3人が大反対であった。一族の大事とあって議論に議論を重ねた。一族郎党すべてお取りつぶしとあって、与五郎はとうとう市に頭を下げ松平家に戻ってくれと言う。

ところがである。今まで静かだった父親の伊三郎は断固反対した。
笹原家の養子となって一生女房の尻に敷かれてきた伊三郎が
一生一度の意地立てをする気になったのである。
伊三郎も嫁としての市を気に入っていたのである。

「こんな300石、惜しいか?」
「与五郎、どんなことがあっても市を離すな!」

ーーー見ている者にとって、こんなスカットする台詞はあるでしょうか?
ーーーさすが滝口康彦です。

周りは伊三郎が気が狂ったのではないかと思った。
笹原家親類の最長老、笹原監物はもはや反対できないと見るや
「笹原家をみごとつぶせ!」と捨て台詞をはいた。

伊三郎、与五郎は城内きっての剣客である。対する大勢の家臣、
屍の山を築くことになるのか?
市は間に挟まれて自殺するのでは?
結末はどうなるでしょうか?


以下の資料は株式会社キネマ旬報社のものです。

スタッフ
監督:小林正樹
脚色:橋本忍
原作:滝口康彦
製作:田中友幸
撮影:山田一夫

キャスト
三船敏郎 笹原伊三郎
加藤剛  笹原与五郎
江原達怡 笹原文蔵
大塚道子 笹原すが
司葉子  笹原いち

製作年  1967年
製作国  日本
配給   東宝




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