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地球を救うDVD映画「善き人のためのソナタ」 [映画]

善き人のためのソナタ
Das Leben der Anderen

「情熱」ベートーベンのこの曲を本気で聴いたものは悪人になれない。 音楽は国境を越え思想を越え、人間を本来の自由の園へ解き放つ。


作者は理解しやすくベルリンの壁のあった東西ドイツを挙げたけれども、
勿論歴史的な監視社会の実在もあるが、これは一例であって、
本題は冒頭に掲げた音楽の比重が大きい。

時代のゆがみのために死んでいった人は数知れない。残った者は彼らに哀悼の意を表し、善き世界をつくらねばならない。


監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
脚本:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
製作:クヴィリン・ベルク
   マックス・ヴィーデマン
音楽:ガブリエル・ヤレド
   ステファン・ムーシャ
撮影:ハーゲン・ボグダンスキー
編集:パトリシア・ロンメル
製作:2006年ドイツ


キャスト
     役名           俳優
ゲルト・ヴィースラー大尉  : ウルリッヒ・ミューエ
クリスタ・マリア・ジーラント: マルティナ・ゲデック
ゲオルク・ドライマン    : セバスチャン・コッホ
アントン・グルビッツ部長  : ウルリッヒ・トゥクル
ブルーノ・ハムプフ大臣   : トーマス・ティーメ
パウル・ハウザー      : ハンス=ウーヴェ・バウアー
アルベルト・イェルスカ   : フォルクマー・クライネルト
カール・ヴァルナー     : マティアス・ブレンナー



かわいい部下「タイピスト!」 [映画]

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これは誠に可愛い映画だ。
たまにはハピーエンドのこのような映画を見るのもいいだろう。
「笑顔は愛されている証拠!」こんな言葉も素直に聞ける。

タイプライターが好きだった少女、
今まで雑貨店の父の手伝いをしていたが、多感な少女が
保険会社に入社する。当時は女性として花形の職業だ。

彼女はそこで上司の下で秘書としてタイプライターを毎日叩いた。
上司であるルイの指導に耐えながら、どんどん成長していくローズ・パンフィル。
素直にスクスクと育つ。

太陽の光ときれいな空気と肥料とで、まるで植物のように。
彼の愛と周りの人間関係と適切な指導、と言い換えることもできる。

そんなルイに惹かれていくのも道理、戦いは世界選手権まで発展していった。

第一回戦、我らが愛すべきフランスのローズ・パンフィル 
1分間にタイプライターで510文字打てた。
対するアメリカのスーザン・ハンターは509文字。

第二回戦。
アメリカのスーザンの勝ち。

第三回戦。
ここにルイが登場してパンフィルを勇気づける。愛を告白する。
勇気づけられた彼女は世界記録を更新した。なんと515文字打てた。
優勝はパンフィル。

映画を見終わった後は晴れやかに次の行動に移れる、何とも善い映画だった。


監督:レジス・ロワンサル
脚本:レジス・ロワンサル
   ダニエル・プレスリー
   ロマン・コンパン
製作:アラン・アタル
出演者:ロマン・デュリス
    デボラ・フランソワ
音楽:ロブ
   エマニュエル・ドルランド
撮影:ギョーム・シフマン
編集:ソフィー・レンヌ
   ロール・ガルデット
フランス製作:2012年

キャスト
ルイ・エシャール - ロマン・デュリス
ローズ・パンフィル - デボラ・フランソワ
マリー・テイラー - ベレニス・ベジョ
ボブ・テイラー - ショーン・ベンソン
アニー・ルプランス=ランゲ - メラニー・ベルニエ
ジルベール・ジャピー - ニコラ・ブドス
マドレーヌ・エシャール - ミュウ=ミュウ
ジョルジュ・エシャール - エディ・ミッチェル
ジャン・パンフィル - フレデリック・ピエロ
アンドレ・ジャピー - フェオドール・アトキン
ルシアン・エシャール - マリウス・コルッチ

死ぬまで意地を通す「8月の家族たち」 [映画]

8月の家族たち
August: Osage County


北アメリカ大陸、ミシシッピ以西、西経100度線との間のアメリカからカナダにかけて広がる大草原。自然はただこの家族を見守るようだ。ここはオクラホマ州ポーフスカ。

シェイクスピアの悲劇を醸し出すような人間のどろどろした戦い。
これは自然から生まれた人間と人間性との葛藤の物語だ。
中でも母親はひょうひょうと全てを受け入れ飲み込む。
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監督:ジョン・ウェルズ
脚本:トレイシー・レッツ
原作:トレイシー・レッツ
製作:ジョージ・クルーニー
   グラント・ヘスロヴ
   ジーン・ドゥーマニアン
   スティーヴ・トラクスラー
   ボブ・ワインスタイン
   ハーヴェイ・ワインスタイン
出演者:メリル・ストリープ(偉大なる母)
    ジュリア・ロバーツ(長女)
    ユアン・マクレガー(浮気中の夫)
    マーゴ・マーティンデイル(叔母)
    クリス・クーパー (叔父)
ベネディクト・カンバーバッチ(従弟)
音楽:グスターボ・サンタオラヤ
撮影:アドリアノ・ゴールドマン
編集:スティーヴン・ミリオン
製作会社:スモークハウス・ピクチャーズ
製作:2013年アメリカ合衆国

63歳の心意気「世界最速のインディアン」 [映画]

世界最速のインディアン The World's Fastest Indian
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あのマシンがどれだけのスピードを出せるか この世をおさらばする前に試したい。


これが、バート・マンローの老境に入ってからの願いだった。
生まれは、ニュージーランド、狭心症と前立腺肥大の持病をもち、
バイクが好きで87km/時が最初の記録、改良に改良を重ね、
創意工夫でしかも自分一人で最高のスピードを出すバイクを作りあげた。


医者からは「今度発作が起きたらこの薬を飲んで」とニトログリセリンを服用。

マシンの名前はインディアン、出場させる場所はアメリカ、マサチューセッツ州のスプリングフィールド、ボンヌヴィル塩平原、昔湖だったが干からびて地面が平となる。
ここでは可能な限り思い切りスピードが出せる。


充実した5分間は、それは一生に勝る充実した時間だ。
人生なんてあっという間だ。また、危険というものは人生に味をつける。
リスクを恐れていたらイカン、そうじゃないと生きていてもツマラン。

それが生きるってことだ。夢を追わない人間は野菜と同じだ。
どんな野菜? キャベツだ。
これも彼の信念である。

この歳で立っていられるだけで御の字だ。
やる時にやらないと、後悔してしまうからな。

なぜ、マシンに乗るの?
いい質問だ、乗ることに意味があるんだ。

人間は草に似ている、春が来ると元気に伸びて、
中年を迎えて実り、秋風が吹くと枯れ尽きて、
もう二度と生きられない。
人間も草と同じ、死んだらそれで終わり。


顔はシワだらけだが、心は18歳だ!
スロットルを開いて突っ走る、ただそれだけだ。
一度でいいから321km/時の壁を破りたい。
そうしたら、大人しくニュージーランドへ帰るよ。
年寄りは隅に引っこんでひっそり死ねばいいと思っているんだろうが、
このバート・マンローは、まだまだ死なんぞ!


一か月前に出場登録すること、年齢制限、マシンの安全性もおぼつかない、これでは出場の許可を出せないと審査員は厳しく迫るが、会場に来た応援者の助けもあって出場可能となった。

「規則は大事だが、時としてそれは曲げる必要もある」との見解、
バートも会場の応援者も大喜び、これで25年間の夢がかなった。
みんなの厚意に報いたいとハッスルする。
さすがアメリカ、自由の国アメリカだ。
規則は人間を縛るものではない、人間を活かすためのものだ。


バートはここでなんと、324km/時を出したのだ。


何もかも忘れて、自分の好きなことに打ち込むのだ、
それが天職となったら最高だ、
しかし、
望み通りできなくて、のたれ死にしても悔いはないだろう、
自然はにっこり微笑んで手をさしのべてくれる。
よくやったねと。

最後にこう表示される。

 1000cc以下の流線型マシン部の1967年の記録は今も破られていない。

*************************************

Burt's 1967 record for streamlined

motorcycles under 1000cc's

still stands
.

*************************************


監督:ロジャー・ドナルドソン
脚本:ロジャー・ドナルドソン
製作:ロジャー・ドナルドソン
   ゲーリー・ハナム
製作総指揮:稲葉正治
      チャールズ・ハナー
      深沢恵
      井関惺
      バリー・M・オズボーン
出演者:アンソニー・ホプキンス
    ダイアン・ラッド
    アーロン・ジェームズ・マーフィ
音楽:J・ピーター・ロビンソン
撮影:デイヴィッド・グリブル
編集:ジョン・ギルバート

公開:ニュージーランド 2005年10月13日
   アメリカ合衆国  2005年12月7日
   日本       2007年2月3日
製作国:ニュージーランド
    アメリカ合衆国

人は理想の世界のためにどれだけ真剣になれるか? [映画]

エリジウム
Elysium
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人は理想の世界のためにどれだけ真剣になれるだろうか?

Get Up! Get Up! Get Up!
エリジウムの中、マックスは戦う!

下劣な地球人への扱い
これが人間の未来?
電子頭脳はすばらしく進んだが、人間のあたたかい良心は失ってしまったのか?
下劣な人間の生きる環境、選ばれたものだけが息をすることができる世界、
人間はどこまで試練を重ねれば良いのか?
落ちる人間はどこまでも果てしなく落ちる。

エリジウムの中の一人、地球に仕事を持つ人間の頭脳をそっくり
マックスの頭の中にダウンロードする、それが楽園へゆく切符だ!
これができれば、エリジウムを思うがままに扱える。全ての人間に平等に平和にエリジウムの恩恵を受けられるようにする。

マックスは働いている工場内で、致死量の照射線にさらされ被曝する。そのため「壊滅的な臓器不全が起き5日で死に至る」とロボットに宣告された。

マックスは治療のためエリジウムに行く事を決心する。
そこでは瞬時に完治できる医療システムが利用できる。

マックスは第三世代の「エクソ・スーツ」を装着する。体の神経系につなげばアンドロイド並に戦える。そして、地球でビジネスを行っているエリジウムの人間の頭脳をマックスの脳にダウンロードする。そのターゲットはアーマダイン社CEOのカーライルだ。

カーライルの頭脳をダウンロード後、エリジウムの全システムをシャットダウンして、再度起動をかければ、理想的なエリジウムの世界に生まれ変わる。

マックスはダウンロードには成功したが、マックスの頭に入ったデータを再度エリジウムにダウンロードしたら、マックスの命はなくなってしまう。

マックスは自分の命がなくなってもいいから恋人のために、幼い子供のために、未来の人類のために自分は犠牲になろうとする。

これは正に聖書に記されている、「もし一粒の麦が死ななければ多くの命を育むことができない」に準ずるものだろう。

映画の最後のところで次の言葉が流れます。
Everyone has some special thing, Max.
One thing that they are destined to do.
One thing they were born for.

(皆さん自由に翻訳してください、私は次のように訳しました。)

誰でも一つ特別な才能を持っている、マックス! それは天命、(天がその人に与えた命令) そのことをするために生まれてきた。

監督:ニール・ブロムカンプ
脚本:ニール・ブロムカンプ
製作:サイモン・キンバーグ
ビル・ブロック
ニール・ブロムカンプ
製作総指揮:
スー・ベイドン=パウエル
ビル・ブロック
出演者:
マット・デイモン
ジョディ・フォスター
シャールト・コプリー
ヴァグネル・モーラ(英語版)
アリシー・ブラガ
カーリー・ポープ(英語版)


音楽
ライアン・エイモン
配給:コロンビア映画
公開:アメリカ合衆国

途方もない使命感に誘われた若者達「桜田門外ノ変」 [映画]

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桜田門外ノ変

これは水戸藩士だった関鉄之介の視点から見た「桜田門外ノ変」です。
最近、討たれた井伊直弼(なおすけ)の側近で仕えていた彦根藩士、志村金吾の視点から見た
「石榴坂の仇討」という映画ができましたね。
きっと視点が変わるとこうなる、ということですね。これもまた楽しみです。

さて、現在の国会議事堂のすぐ隣で、今から154年ほど前の1860年「桜田門外ノ変」が起こりました。
当時は列強の外国勢力が中国の清朝政府をアヘン戦争でズタズタにして、半植民地化し、次は日本を餌食にしようとしていました。産業革命を経て、科学技術によって強くなった列強に対して、日本人は、次は日本が清朝政府の二の舞になると懸念していました。 

ペリー提督が黒船に乗って浦賀沖に来て、大統領の国書により通商を迫り、もし応じないなら武力に訴えると、大砲を撃ちました。日本はどんなに驚いたでしょうか。日本が植民地になる? そんな中で日本の進むべき道を模索中に起きた事件がこの「桜田門外ノ変」でした。

当時、江戸幕府に勢力を持っていた水戸藩主徳川斉昭(なりあき)の考えは尊皇攘夷でした。
尊王とは、幕府が国の主人として天皇を敬い尊ぶこと、
攘夷とは攻めよせる外敵を打ち払うことである。


井伊直弼は事件の目前に問題を2つ抱ええいました。
ひとつは第13代将軍・徳川家定の後継をめぐって、
南紀派の会津藩主(松平容保)、高松藩主(松平頼胤)と
一橋派の水戸前藩主(徳川斉昭)福井藩主(松平春嶽)の
二大勢力の政権争いでした。

一橋派は、英明で知られた当時21歳の一橋慶喜(よしのぶ)を推挙していたが、それに対し南紀派は、家定の従弟で当時12歳の紀州藩主・徳川慶福(よしとみ)を推しています、結局慶福が養子と決められました。後に慶福は第14代将軍となり家茂(いえもち)を名乗りました。

もうひとつの問題は早期締結要求も強まる日米修好通商条約でした。井伊直弼は天皇の勅許を得ないままに日米修好通商条約をはじめとする安政の五ヶ国条約の調印を実行してしまいました。

彼は先進的な考えを持ち、富国強兵を考えていました、そのためにはアメリカの要求を一時的に受け入れて、他の列強国を抑えて、アメリカから優れたところを取り入れ強くなろうとしていました、それを独断で進めてしまいました。これには天皇を始め尊王攘夷派も怒りました。井伊直弼は先走りだったのでしょうか?

この二つの問題に対して尊皇攘夷論者は反対運動を激化させました。井伊大老はこれを弾圧、幕政を批判する政治運動に関わった多くの人を処刑し(100人以上)、その中には吉田松陰、橋本佐内らもいました。また水戸藩の徳川斉昭、春嶽らを蟄居させてしまいました。世に言う安政の大獄です。

これらによって、水戸藩内に井伊直弼打つべしの過激勢力が集まり、直弼暗殺の計画が立てられ、総指揮に金子孫二郎、現場指揮に関鉄之介が任ぜられ、3月3日桜田門外で暗殺が実行されました。

この日は季節はずれだとはいえ、早朝からことのほか雪が多く降っていました、時には牡丹雪にもなったそうです。

午前9時ごろ、江戸城へ登城する井伊直弼の駕籠(かご)行列が橋にかかろうとした直後、先頭に陳情を装って斬りかかり駕籠を止めました、護衛は、なんだなんだと駕籠を離れたとたん拳銃を井伊の駕籠めがけて発砲し、それが合図で、両側面から一斉に斬りかかりました。

護衛の侍は雪が降っていたので刀に覆いをかぶせていました。そのためこんな大事なとき刀がさやから抜けません。中にはサヤを付けたまま応戦した侍もいました。

白い雪にすさまじい鮮血、耳が斬られ飛び、指斬られ飛び、腕が斬られ飛び、壮絶な斬りあいだったといいます。それでも十数分で井伊直弼の首は、はねられてしまいました。

彦根藩からは護衛が26名、足軽が40名、対して暗殺側の水戸浪士17名、薩摩から1名の18名でした。後に主君を守れなかったと言うことで彦根藩の共の護衛は切腹。水戸浪士らは闘死、自害、斬首等で明治まで生き延びたのは2,3人でした。

この映画は関鉄之介(大沢たかお)に視点が置かれ描かれています。
この桜田門外ノ変は当時すぐには評価されませんでしたが、その8年後は明治維新となります。直接的で、はっきりした起点がこの桜田門外ノ変であり、明治維新を早めたと評価されています。

関鉄之介は後日こう語っています。
「桜田烈士、桜田門外の同志達の死は無駄ではなかった。」また、
「われわれは井伊直弼の首ひとつのためにどれだけ多くの命を道連れにしたのでしょうか?」

江戸幕府の権力の中枢を崩したということ、これには犠牲が多い。
坂本龍馬はこの時点ではまだ時期尚早と考えていたようです。

みんな日本の将来を思って、考えていたのに、なぜ多くの若者が死ななくてはならなかったのでしょう。この時代の若者は途方もない使命感に誘われて死に赴いたのでしょうか?
桜田烈士の中には妻もあり、恋人もいたでしょう。彼女たちは死んでいった彼に向かってただ泣くしかない。主題歌の「悲しみは雪に眠る」は運命に翻弄された彼女たちの嘆きでしょうか? 歴史は尊い犠牲の上に成り立っていると思えば、彼らに感謝し私達は良心の襟を正します。


関鉄之介は桜田門外の変から2年後享年38歳で斬首されました、
その6年後大政奉還となり明治政府が成立しました。



監督:佐藤純彌
脚本:江良至
   佐藤純彌
原作:吉村昭
出演者:
大沢たかお
長谷川京子
伊武雅刀
北大路欣也
音楽:長岡成貢
主題歌:alan『悲しみは雪に眠る』
撮影:川上皓市
編集:川島章正
製作会社:「桜田門外ノ変」製作委員会
配給:東映
公開:2010年10月16日

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神がお好きな愛「愛の嵐」 [映画]

深紅のバラ.jpg
愛の嵐

Il Portiere di notte
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もう十数年の昔のことになるが、私は当時ナチスの親衛隊の一人で偉大なる第三帝国の建設に大いなる誇りと揺るぎない自信を持って邁進していた。しかし歴史に刻まれているとおり、その結果は惨憺たるものであった。私は当時の牙はことごとく抜かれ、身分を隠し身を隠し、世の中のすみにひっそりと息を殺して生きていた。私はかつての栄光など望むべくもなく、再興などとんでもない、つつましく息ができればもうそれで良かった。昔のことは全て忘れたいと思っていた。

私はホテルマンの仕事を見つけ、礼儀正しく、身だしなみも整えよく働いた。日々の生活にも満足して生きていた。時は1957年、ホテル、オペラである。
私の名前は、マクシミリアン・アドルファ通称マックス。

ところが........

ここウィーンでコンサートが開かれ、その指揮者夫婦がこのホテルに宿泊を求めてきたのである。

夫人の方の顔を見たとき、私は雷に打たれたような衝撃が走った。これは大げさでも何でもない、それほど驚いたのである。相手も、すぐ私だと気がついて、一時呆然としていた。一瞬ではあったがお互いに目をそらすことはできなかった。彼女はすぐ夫について部屋に上がっていった。

今思い返せば、かつての忌まわしいナチスの時代に、私が唯一愛したルチアだった。私は親衛隊の軍服を着ながら彼女に心を奪われていた。

最初にルチアに会ったのは、ユダヤ人の身体検査をやっていたとき、男も女も全裸のままで並ばせていたが、その中にルチアは恥ずかしそうに肩をすぼめていた。私は彼女の美しさに一目見て動けなくなってしまった。

私は彼女だけを一室に連れ込んで、拳銃を撃った。彼女は部屋中逃げ惑い、恐怖におののいていた。私は、その戦慄した顔が肢体がたまらなくなり、こともあろうか写真を撮り始めたのである。私はその時、私の中にある暗い性向を垣間見たのである。これは、抑圧された環境の中に出てくる、悪魔の叫びかもしれない。

戦後私は元親衛隊員のグループに属していた。勿論世をはばかるグループでお互いに協力して当局の執拗な追っ手から逃れようとするものだった。資料があって、300名の同士のうち200名は目撃者による告発、100名は戦犯委員会の摘発である。

私たちのグループは、時々査問委員会なるものを開き、そのような兆候が現れると対象と証拠を摘み取っていた。これによって、お互いの身の安全を確保しようというものである。

近く親衛隊将校の8万名のファイルが手に入る。今ここにマックスの致命的証拠がある。査問委員会の中で話は始まった。

我々は過去を徹底的に洗い、何事も恐れずに語り合うこと。
もし罪悪感に取り付かれ他ものがいた場合、それを正さなくてはならない。
罪悪感は心の病だ。つまりノイローゼだ。

我々を密告するのは目と指だ。1000の証拠よりも一人の生き証人のほうが価値が大きい。彼らほど危険な存在はない。だからこそ、探し出して口を封じなければならない。

マックスを密告する生き証人は、マックスが愛したユダヤ人であり、
彼女は今や楽団指揮者の妻になっている。

マックスは語った、「おそらく証人は既に死んでいるだろうが、もし生きていたらそっとしておきたい」と。

しかし査問委員会は、証人と対峙して初めて身を守る方法がわかる。これは戦いだ。戦争はまだ終わっていない。と、詰め寄る。

マックスはとうとう昔の恋人ルチアをホテルの部屋に訪ねた。
彼女は始め逃げ回った、が.........


理性で押し殺し、心の牢獄につないでおいた魔物が牢屋から出て息を吹き返した。

ルチアは「あなたが欲しい」と叫び、マックスは「私の天使」と言う。

これを離す手立てはあるだろうか?
今テレビドラマで「昼顔」をやっているが、こちらの「愛の嵐」の方が、強烈で、直線的だ。思案というものがなく、勢いがすさまじい。

これは日本文化とヨーロッパ文化、あるいは農耕民族文化と狩猟民族文化の違いとでも言いたい。

マックスは言う。
「忘れた過去が再び甦った。
亡霊が再び私を支配しようとしている。
私はあの声と肉体から逃れられない。」

ここで、当時の親衛隊員の前でルチアが踊った場面が出てくる。
ここが、この映画のサビの部分だろう。

歌の内容はたいしたものではない。ただ、親衛隊の帽子とズボンを身につけ、独特なリズムで歌い始めると、見るものはクギズケにされる。細めの裸身はなぜ親衛隊の軍服が合うのだろうと不思議な思いを抱く。抑圧された環境から、にじり出るエロティシズムだろうか。そのうちに、この歌は映画全体を包み込む、この時代を包み込むのかもしれない。

マックスは聖書の話、サロメを思い出す。ルチアがいやな男とさけていた思いを逆手にとって一計を案じた。マックスはなんとその男の首をはねて、箱に入れルチアの前に披露するのである。ルチアはそれを見て声も出なくじっとマックスを見る。心の傷は計り知れない。勿論、二人のである。

この場面が終わると、話は坂道を転げるように終末に向う。

マックスは彼の天使をどこまでもかばう。査問委員会はそれを許さず二人を追い射殺する。 再び、あの歌が全体を覆う。


監督:リリアーナ・カヴァーニ
脚本:リリアーナ・カヴァーニ
   イタロ・モスカーティ
原作:リリアーナ・カヴァーニ
   バルバラ・アルベルティ
   アメディオ・パガーニ
製作:ロバート・ゴードン・エドワーズ
製作総指揮:ジョゼフ・E・レヴィン
音楽:ダニエレ・パリス
撮影:アルフィーオ・コンティーニ
編集:フランコ・アルカッリ
製作国:イタリア 1975年
キャスト:
ダーク・ボガード:マクシミリアン
シャーロット・ランプリング:ルチア
フィリップ・ルロワ:クラウス




地球を救うDVD映画「ミッシング・ポイント」 [映画]

水底の高み.jpg
<水底の高み>
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ミッシング・ポイント

THE RELUCTANT FUNDAMENTALIST
==================

「よき音楽は死をやわらげる」

と、ここパキスタンでインド風、イスラム風の歌が
数人の人々によって高らかに歌い上げられ、映画は始まる。
まるでこれからのストーリーを象徴するかのようだ。


主演のチャンゲスはパキスタンの青年で、アメリカで働いた
経験がある。彼のいたニューヨークの会社では、対象の企業の
現社会での価値を調べ、その価値を増進させる方法を提案して収入を得ていた。
逆もある、それは価値がゼロの場合だ。整理ということになる。


彼は対象を観察してその本質を見抜き今に適応させる
という一連の流れを把握する能力に優れていた。
この様な能力があれば、どこにいても生きていけるだろう。
この技能は訓練さえすれば、だれでも身に付くだろうか?
ちょっと話が脇道にそれてしまった。


彼は、テレビで 9.11を見た。それで不謹慎とは言いながらも
天才だけが無慈悲な行為に打ち勝てると言い、更に
良心が目覚める直前、一瞬喜びを感じなかったか?
というのである。
一瞬にして、3000人の命が奪われ、その家族、友人に
多大な不幸を与えた行為に対してである。
何とも答え難い発言だ。少なくとも喜びなどあり得ない。


映画の概要は、パキスタンでアメリカの教授が拉致され
生死が危うくなった事にアメリカCIAが動き、救出する
という事件である。


チャンゲスは初め、心からアメリカを理想の国と思い
アメリカが好きだった。しかし 9.11以降のアメリカの
外国人に対する振舞い方、企業の殺伐とした合理主義、
失恋、等々によって、アメリカを離れることになる。


ある本屋の主人がこんな話をした。
「私は42年間、本を作ってきた。この会社から中東の
偉大な作家が世界へ物語を届けた。」
要するに自分の仕事に自信と価値を見出していた
ということだ。これは見習うべき言葉だが、
この会社が存続できない。


また、
「キリスト教徒の少年がオスマントルコの兵士にさせられ
数年後、生みの親を殺し、家を破壊する命令が下され、
少年は育ての親に傾倒し帝国に仕えた。」


これは、比喩なのでしょうか?
パキスタンの人間が、アメリカで育てられ、数年して
戻ってきて、、、、、、、ということ?

また、その老人は言う。
「若者が戦うには大義が必要だ。自分の立場を決めれば
君の世界に色が戻る。」
これは、地に足をつけて生きろということ?


これは、チャンゲスにパキスタンに戻れと言っているのでしょうか?

CIAの救出作戦、発砲もあり、チャンゲスの友人が死亡する。
大きな複雑な問題が潮の様に寄せては返し、返しては寄せる。

最後の所で、抒情的な女性の声と言葉で、見ている人に
心迫って来るものが有る。


「神よ、私の声をお聞きください、 神は言って下さった、 おまえは世界の王だ、 神は私を立派にしてくださった、 打ちのめされても、優雅に耐える方法を教えて下さった。 私はこの王国を望みません、 私が望むものは、ほんの少しの敬意。 神よ、私の声をお聞きください、 願いがかなうなら、神に従います、 もし私が誓いを破れば、災いを与えてください。」

チャンゲスは最後に言う。

 コーランの原理に忠実であるべきだ


人を2者択一で選ぶべきでない。
労働者か責任者か、アメリカ人かパキスタン人か
殉教者か不信心者か、生者か死者か。
削減にはうんざりだ。


知らない人の運命を高見から左右したくない。
僕はパキスタン人でムスリムだ。
(ムスリム:イスラム教徒、アッラーの教えに帰依する者)
君らの攻撃に反対しているが、それがすべてではない。
僕は実力行使はしない、だから家族に手は出すな。


また、
我々は太陽の光に頼ることなく、自らの光で輝かねばなりません。

これを読んだあなた、これはとてもいい言葉だと思いませんか?座右の銘にしてもいいですね。これが本当の自立ですね。世界中の人々がこう思って行動にしたら世界は変わりますね。いい方向に。

そして、アメリカが好きだ。

日本では宗教を持っていなくても生きていける訳ですが
私は、般若心経の解釈もままならないけれど
少しコーランに興味を持ちました。
人間の人生を確定してしまうという点において。


監督   :ミーラー・ナーイル
製作総指揮:ハニ・ファルシ
製作   :リディア・ディーン・ピルチャー
音楽   :マイケル・アンドリュース
キャスト
リズ・アーメッド    :チャンゲス
リーヴ・シュレイバー  :ボビー
ケイト・ハドソン    :エリカ
キーファー・サザーランド:ジム

2012年 アメリカ、イギリス、カタール制作映画です。


世界を救うDVD映画「4分間のピアニスト」 [映画]

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==========
4分間のピアニスト
(Vier Minuten)
==========

『4分間のピアニスト』はクリス・クラウス監督、モニカ・ブライプトロイ、ハンナー・ヘルツシュプルング主演の2006年のドイツ映画です。

ーーー*---*---*---

ジェニー・ホーン・レーベン
彼女は、
鉄格子の向こうで
煮えたぎる心をもっていた。

クリューガーは彼女を表舞台に立たせるために命を懸ける、
最後の自分の仕事だと思って。

第二次世界大戦中、クリューガーは心通じ合える女性を知る。
そして、その友ハンナのことをジェニーにうちあける。

「ハンナは憎しみを知ってた、
そして本物の愛も。
ハンナはこの世で何もしないうちに殺されてしまった。」

「人は、自分の才能を生かすために努力すべきです、
人生ほかに何がある?!
何もないでしょ!
人になすべき使命がある。」

Gertrud Kruger
1917-2004

監督・脚本:クリス・クラウス
音楽   :アネッテ・フォックス
俳優:
ジェニー・フォン・レーベン(収監中の女囚):ハンナー・ヘルツシュプルング
トラウデ・クリューガー(ピアノ教師)   :モニカ・ブライブトロイ
製作:アレクサンドラ・コルデス
  :マイク・コルデス
撮影:ユーディット・カウフマン
編集:ウータ・シュミット


地球を救うDVD映画「リアル スティール」 [映画]

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 リアル スティール

 REAL STEEL
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この映画の中の時代は2020年というから近未来の映画だ。
主な登場人物は、
    ヒロイン :マックス・ケントン(11歳)、
    その父親 :チャールズ・ケントン(愛称チャーリー)
    親しい女性:ベイリー、それから、
    ファイティングロボット:ATOM(アトム)だ。

時代は今と違って、人間のボクシングはすたれてしまった。
それは観客が、より暴力的で派手なものを求めたからだ。
ブラジルのグレイシーやマチャド、日本柔道、
ムエタイ(タイ国)など、
それ以上にルール無用の激しい格闘技がはやった。

要するに人間の戦いに満足できなくなってきたのだ。
人間の体じゃ、底なしの暴力には耐えられなかった。

そして、無限の暴力をマシンに求めた。
かくして、人間はリングから退場するはめになり、
それ以降、ボクシングはマシンに移った。

今や第5世代のコンピュータを駆使したロボットが乱立していた。
我がATOMは、第2世代のスパーリング用のロボットで、
長い間鉄くずのごみ溜めに埋もれていたものだ。

マックス少年はATOMを改良し訓練に励んだ。
そして、改良に改良を重ね、とうとうロボットに
音声解読器をつけ、目で見て人間のまねをするよう
シャドウ機能を改良した。
これで、ロボットへの指令は声で伝え、
またそれが破壊されてもシャドウ機能で戦えた。

というのは、父親のチャールズ・ケントンは元ボクサーで
世界ランキングで2位まで上り詰めた男だった。
彼がATOMにボクサーとしての動きをシャドウで伝え
最強のマシンにするつもりだ。

現在彼はかつての輝きを失っていた。
そして父と子の信頼も失いかけていた。
マックスに言う「お前にはもっといい未来がある、俺みたいになるな!
おまえがとてもつらい思いをしていた時、俺はそばにいなかった。
お前のママは世界最高のママだった、本当に残念だ。
死んでしまった。

おれは、今お前のために戦う、おまえにやる気があるなら、戦う準備はできている。

こうして、二人は無敵といわれていた「ゼウス」と戦うことになっていく。
マックス少年はリング上で言う、
「みんな! 小さなロボットが、王者決定戦でゼウスと戦うのを見たくないか?」
それは、無敵のゼウスに対する挑戦状だった。観客はどよめいた。

4階まである会場は、怒涛のように沸きに沸いた。
無敵の王者ゼウスか? 新星のように現れたATOMか?



*****----- 今宵のメインイベント! -----*****

リングの王者ゼウス 対 希望の星 ATOM!

誰にも敗れない、はるか時空を超えた支配者、
無敵のゼウスに頭を垂れろ! ひれ伏せ!

挑戦者は新星 ATOMU!!!!!

世界ロボットボクシングの王者決定戦、
リ ア ル ス テ ィ ー ル 開始!!!!!

これがボクシングだ!
ゼウスいきなり猛攻撃!
ATOMは、全戦全勝してきたゼウスに反撃できるのか!


金属 対 金属、 鋼鉄 対 鋼鉄、これぞ力のぶつかり合いだ!!

チャーリー、シャドウに切り替えたぞ!
チャーリー行け行け、勝てる!勝つんだ!
左ボディ、右ボディ、左!、右!、左!
右アッパー、左アッパー、かわせ、
右カウンター、チャーリー、スペシャルコンボだ!!
そうだ、逃がすな! 頭に一発!行け行け行け!!!!

賢く戦い、じっと耐える、そして祈る!
マジで祈れ、本気で祈れ!

さあー、 いよいよクライマックスだ!





監督   :ショーン・レヴィ
脚本   :ジョン・ゲイティンズ
原案   :ダン・ギルロイ
      ジェレミー・レヴェン
原作   :リチャード・マシスン
製作   :ショーン・レヴィ
      スーザン・モントフォード
      ドン・マーフィ
      ロバート・ゼメキス
製作総指揮:ダン・リン
      ジョシュ・マクラグレン
      メアリー・マクラグレン
      ジャック・ラプケ
      スティーヴン・スピルバーグ
      スティーヴ・スターキー
出演者  :ヒュー・ジャックマン
音楽   :ダニー・エルフマン
撮影   :マウロ・フィオーレ
編集   :ディーン・ジマーマン
俳優
チャーリー・ケントン: ヒュー・ジャックマン
マックス・ケントン : ダコタ・ゴヨ
ベイリー       : エヴァンジェリン・リリー
フィン        : アンソニー・マッキー
リッキー      : ケヴィン・デュランド
タク・マシド     : カール・ユーン
ファラ・レンコヴァ : オルガ・フォンダ
デブラ       : ホープ・デイヴィス
マーヴィン     : ジェームズ・レブホーン
キングピン     : ジョン・ゲイティンズ

製作国:2011年、アメリカ合衆国です。

地球を救うDVD映画「麦の穂をゆらす風」 [映画]

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<2014年度信州なかのバラ祭り>
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 麦の穂をゆらす風

 THE WIND
 THAT SHAKES THE BARLEY
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この映画を観て、昔私が高校生の時、社会科の先生が少しばかり興奮した面持ちで、
憲法第9条から始まって戦争に関する資料をひたすら読み上げている姿を思い出した。
口をぱくぱくとして読み上げていくだけで、先生自身の意見も感想も言わなければ、解説すらしなかった。強いて言えば単語の意味くらいの説明だけだった。

教壇のすぐ下の席には女の子が座っていたが、気の毒にも先生のツバキの洗礼を受けただろう。

先生の読み上げのおかげで、私は、国際紛争の問題を解決する手段として軍事暴力を使ってはいけないのだな、ということだけ頭の隅に残った。今思えば解説なしの読み上げだけで、かえって良かったのかもしれない。後は自分の頭で考えろという教育方針だったのだろう。

前置きが長くなってしまった。
「麦の穂をゆらす風」これは、アイルランドの悲劇を扱った映画だ。
アイルランド独立戦争とその後の アイルランド内戦を描いている。

山懐に抱かれた所で高校生がクリケットに興じているところから映画は始まる。
ここは自然の豊かな北アイルランド、1920年(大正9年)の話だ。

始めは殴り合いぐらいの喧嘩だったものが、次第にエスカレートして銃を使って相手を殺し合う所まで行っている。一時、休戦協定がしかれたが、今度はアイルランドの中でもこの休戦協定を受け入れるか、完全自由を勝ち取るかに分かれて、血を血で洗う争いになり、最後は兄と弟が立場の違いから、殺し合うはめになってしまった。

ここに、デミアン(弟)が恋人のシネードにあてた遺書を一部紹介して、悲惨な行為が無くなるよう祈るだけである。死刑の実行を命令したのは兄だった。

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愛するシネード

逃れようとしていた戦争に身を投じ、今はもう逃げるに逃げられない。僕らは何という不思議な生き物なんだろう。

今、君をいとおしく思い出している。この最後の瞬間も君の体と心をいとおしく思い出している。君は「私達の子供には自由な暮らしを」と願っていたね。僕もその日が来るのを願っている。それは想像以上に遠い未来かも知れない。

ダンが言っていた。「誰と戦うかは簡単に分かる。それは、何のために戦うのか考えれば答えは出る」僕は今その答えを得て勇気を持った。

テディをよろしく頼む。君がくれたメダルに勇気をもらった。これがあれば君もきっと勇気が涌いてくるだろう。さようならシネード。今もそして永遠に君を愛している。

                          デミアンより

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現在でも、世界の至る所で武力闘争が続いている。人間の歴史は戦争の歴史だと誰か言っていたが、全くその通りだなあと思う。

今私が命の危険を考えずに、蛇口をひねればきれいな水が出てくるし、肥満に注意するくらいで飢えに苦しむことすらない。周りの人たちも平和に暮らしていられる。これも先人の尊い犠牲の上に立っているのかと思えば感謝せずにいられない。


今、遠い北アイルランドを想像する。きっと、現地の人の歌のように
柔らかな風が、谷間に吹き渡り、黄金色の麦の穂を揺らしている」のだろう。



監督   :ケン・ローチ
脚本   :ポール・ラヴァーティ
製作   :レベッカ・オブライエン
製作総指揮:アンドリュー・ロウ
      ナイジェル・トーマス
      ウルリッヒ・フェルスベルク
      ポール・トライビッツ
出演者  :キリアン・マーフィー
      ポードリック・ディレーニー
      リアム・カニンガム
      オーラ・フィッツジェラルド
音楽   :ジョージ・フェントン
撮影   :バリー・アクロイド
編集   :ジョナサン・モリス
公開   :2006年
製作国  :イギリス、アイルランド、
      ドイツ、イタリア、スペイン
配役
デミアン : キリアン・マーフィー
テディ  : ポードリック・ディレーニー
ダン   :リアム・カニンガム
シネード : オーラ・フィッツジェラルド


地球を救うDVD映画「マッド」 [映画]

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 マッド

 MUD
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題名のMUDを英和辞典で調べると次のような解説が載っている。

mud
①湿った、じめじめした。
②泥、ぬかるみ
③つまらぬ(嫌われる)物、人、かす
④(米俗)阿片、安物コーヒー

こんなところだ。この映画ではヒロインの名前だ。
いいのだろうか?mudで。

主な登場人物は、次の4人。
マッド   (ヒロイン)
ジュニパー (ヒロインの恋人)
エリス   (ヒロインの友達14歳)
ネックボーン(エリスの友達14歳)。

ミシシッピー川で遊んでいたエリスとネックボーンが増水して木の上に引っかかったボートを見つける。エンジンを付けて釣りをするのに格好の船だ。

だが、そこには誰か住んでいた。それがマッド。大人と子供の年齢差はあったが3人は友達になった。この辺は、なんだかトムソーヤの冒険を地でやっているように思えた。

マッドはここで恋人を待っているという。この話にエリスはひどく感動して、以後、マッドに協力するようになる。

前半は、いや三分の二くらいまでは、こんな感じで進んでいて退屈のため居眠りしながら映画鑑賞となったが、がぜんアクティブになったのは、終わりから三分の一。

エリスが小川に落ちて毒蛇にかまれた。この辺の毒蛇は命に係わる。マッドは猛然と川からエリスを助け出し応急手当てをし、小型ボートに乗り、バイクに乗り病院へ駆けつけた。エリスを抱いた手の下でハンドルを握りバイクを運転する様は見事というほかない。運動神経抜群だ。われわれもいざというときにはこうありたいものだ。

3人の言葉や行動に見られる友情、恋人や、親たちとの愛情、これがこの映画のテーマだろう。

最後に、木の上にひっかかていたボートの修理が完成した。ボートは滑るようにミシシッピー川に生き返った。最初の運転手はマッドの父親トムだった。ミシシッピー川を北上する景色は申し分ない。穏やかな、顔に吹かれる風、見渡す限りの広々としたミシシッピーの流れ、その向こうの青空と白い雲、誰も誰も笑顔になる。


きっとアメリカ人も、かつてトム・ソーヤーが活動していたこの風景が好きなのであろう。私も好きだ。


監督:ジェフ・ニコルズ
脚本:ジェフ・ニコルズ
製作:リサ・マリア・ファルコーネ
   サラ・グリーン(英語版)
   アーロン・ライダー
製作総指揮:トム・ヘラー
      ギャレス・スミス
      グレン・バスナー
      マイケル・フリン

出演者:
マシュー・マコノヒー   : マッド
リース・ウィザースプーン : ジュニパー
タイ・シェリダン     : エリス
ジェイコブ・ロフランド  : ネックボーン
サム・シェパード     : トム・ブランケンシップ
レイ・マッキノン     : シニア
サラ・ポールソン     : メアリー・リー
マイケル・シャノン    : ガレン
ジョー・ドン・ベイカー  : - キング

音楽:デヴィッド・ウィンゴ
撮影:アダム・ストーン
編集:ジュリー・モンロー
公開
2013年アメリカで制作された映画です。


世界を救うDVD映画「僕のピアノコンチェルト」 [映画]

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 僕のピアノコンチェルト

   VITUS
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この映画はビトスという天才少年を、家族が見守り、育てていく物語で、彼の若い時代を家族がどうかかわりあったかを示している。


家族構成は、祖父、父、母 それとヒロインのビトス少年の4人です。


本当の天才は、精神も天才だということだ。
人類が天才を生んで、天才はより多くの人々を幸せにする。それは、人類が生き続けていく自然の知恵かもしれない。

映画の最後に、祖父の手紙が、彼自身が亡くなってから家族に届いた。
その内容を引用すれば、ここには監督のすべての思いがが含まれているだろう。

親愛なるヘレン、レオ、ビトスへ、


私は今までお前たちを愛しているとあまり言わなかったような気がする。
だからもう一度言おう。お前たちを愛しているよ、心から愛しているよ。


ヘレンとレオ、君たちはこの世で最高の夫婦だ。温かい夫婦の愛があったからこそビトスのような素晴らしい子供が生まれたのだ。


ビトス、お前は最高の友だ、お前と一緒にいると楽しかった。家族みんなを思うと私はいつも幸せな気分でいられた。家族のきずなは互いに思いあう心だ。

ビトス、お前はお前の星をどこまでも追い続けるのだ。
                           
                           おじいちゃんより

監督  :フレディ・M・ムーラー
脚本  :ペーター・ルイジ
      フレディ・M・ムーラー
     ルカス・B・スッター
製作  :クリスティアン・ダヴィ
     クリストフ・ネーラッハー
     フレディ・M・ムーラー
出演者 :テオ・ゲオルギュー
     ブルーノ・ガンツ
     ジュリカ・ジェンキンス
     ウルス・ユッカー
     ファブリツィオ・ボルサニ
     エレニ・ハウプト
     タマラ・スカルペリーニ
     ノルベルト・シュヴィーンテック
音楽  :マリオ・ベレッタ
撮影  :ピオ・コラッディ
編集  :ミリアム・フルーリー

配役:
ヴィトス・フォン・ホルツェン: テオ・ゲオルギュー
祖父            :ブルーノ・ガンツ
ヘレン・フォン・ホルツェン :ジュリカ・ジェンキンス
ヴィトス・フォン・ホルツェン:ファブリツィオ・ボルサニ
レオ・フォン・ホルツェン  : ウルス・ユッカー

公開: 2006年のスイスの映画です。



地球を救うDVD映画「麻雀放浪記」 [映画]

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 麻雀放浪記

==元気な昭和人、鹿賀丈史の魅力==

妻がだまって、座っている健の鼻先ににコッペパンを差し出す。

健はだまって、妻を見てパンを受け取る。

マージャンで負け越した健さんが、早朝お寺の庭先で何する当てもなく腰を下ろして、さっきまでやっていたマージャンを振り返っていた。
「なぜ俺は負けたんだろう?」

麻雀の負けのカタに住んでいる家まで売り飛ばしてしまった。だから妻は手荷物を持って家を出て来たのだ。
妻と言っても内縁の妻で大竹しのぶが扮している。夫の方は鹿賀丈史、博打で(ばくち)で生計を立てている。

捜しちゃった
「俺のどこがいいんだ?」
「バカ! 家まで売り飛ばしたんだぞ! 何で捜す?」
月並みよ、あんたが私に惚れているからさ

何という、さっぱりとしたな会話でしょうか?
明日から住むところがないというのに、敗戦直後の人たちは、もう何も失うものがないから、その分、やけっぱちな元気なのでしょうか?

時代は、ギブ・ミー・チューインガム と、進駐軍が来ると子供たちは集まってきた。

「日本が負けたって、私は降参した覚えはないよ!」
加賀まりこは、進駐軍に金を取られてしまっていきり立つ。

この界隈ではバラックが建ち並び、子供たちのノミ対策に白い粉(DDT?)をかけて回る。
「テメエらにできることは、長生きだけだ。クソたれて我慢して生きているだけだ」
そんな中で、ドサ健(鹿賀丈史)の頭の中は博打だけが、ギラギラと生きていた

ドサ健は、また言う。
「あいつは俺の女だ、この世でたった一人の俺の女だ。だから俺のために生きなくちゃならねえんだ!」と言って自分の女房まで負けのカタに失ってしまった。
これは、今から70年まえの話だが、現在、これほどの歯切れのいい言葉を吐ける人はいるでしょうか?

「おやっさん、ついてるね」
「誰かが負けるから博打になるんだ。勝ったり負けたりってところだな。」
「勝ち続ける人もいるでしょう?」
「そういうやつは、金を得ても体を壊している」
「勝ち続けて、丈夫な人もいるんでしょ?」
「そういう人間は、勝っても、人間性をなくす」

博打は瞬間的に人を生かすが、後は天国か地獄だ。


青天井、という特別な掛け率の高いルールでドサ健は一世一代の大博打をやる。自分の家も女房も負けたカタに取られてしまったからだ。絶対取り戻してやる!

パイを打つ音だけが空気を裂く。
いよいよ大詰めに入った!


監督・脚本:和田誠
原作   :阿佐田哲也
脚本   :澤井信一郎
出演   :真田広之
      大竹しのぶ
      加賀まりこ
      内藤陳
      吉田良全
      篠原勝之
      高品格ほか。

1984年公開の日本映画です。



地球を救うDVD映画「リトル・チルドレン」 [映画]

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リトル・チルドレン

 Little Children
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登場人物、みんな何らかの問題を抱えて、生活を送っている。
そしてもがいている。みんな愛すべき人間像だ。


中で、一人口ずさむように言葉を紡いでいた言葉が心に残る。

   「あなたは奇跡なのよ

    人間はみんな奇跡

    なぜかわかる?

    なぜなら

    人間は毎日やるべきことをやる。

    やるべきことをやりながら

    誰もがみんなわかっているの。

    私たちが大切にするもの

    私たちが愛する人たちは

    一瞬で消えてしまうかもしれないと

    それを知りながら

    私たちは生きていくの。

    動物にはできないことよ。」


    ----*-----*-----*-----+-----*-----


監督   :トッド・フィールド
脚本   :トッド・フィールド
      トム・ペロッタ
製作   :トッド・フィールド
      アルバード・バーガー
      ロン・イェルザ
製作総指揮:ケント・オルターマン
      トビー・エメリッヒ
      パトリック・パーマー
出演者:
サラ役   :ケイト・ウィンスレット
ブラッド役 :パトリック・ウィルソン
キャシー役 :ジェニファー・コネリー
ロニー役  :ジャッキー・アール・ヘイリー

公開:2006年のアメリカ映画です。


地球を救うDVD映画「ビフォア・サンセット」 [映画]

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ビフォア・サンセット

BEFORE SUNSET
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映画が始まって2時間近くも、休みなく会話が滑らかに続いていくなんて考えられるかい?


それも退屈な会話じゃないんだ。時には至極若者の前向きな思考や、今まで生きてきた先輩たちを批判しながら意見することも。


彼の名前はウオレス、アメリカ テキサスの出身、自分の書いた小説を売るためにパリで販売促進のため読者を集めて本屋さんの中で話をしている。


彼女の名前はセリーヌ。フランス人らしい名前だ。二人は過去に会っていてほとんど恋人どうし。後日、ウィーンで会おうと約束したが、彼女は祖母の葬儀のためいけなかった。彼はずっと待っていたのに。


彼は恨みを抱きながら、彼女は悪いと思いながら数年過ごした。彼は結婚し子供を設け、作家になった。彼女は国際ミドリ十字(環境保護団体)で働き、夢を実現して体を使って実際に行動していた。未婚。


それが、彼の本の宣伝活動でパリで9年ぶりに再会した。かれは、昔の恋人に出会い息がとまるほど興奮した。彼女も昔の恋人に懐かしさを覚えた。


「話は弾むよどこまでも」だ。もし、9年前にウィーンで再会できていたら結婚していただろうと思っている。運命を呪う感じだ。


お互いにこの世で感じた人生観、生活感、社会観を話す、9年間の。
例えば、
「誰も今より上に行きたいと思っている、稼ぎたい、尊敬されたい、認められたい等々、しかし、これは疲れる!」

「トラピスト修道院の人は、だれにも、何も強要しない、ただ生きて、ただ神と平和に暮らして死んでいこうとしている」


セリーヌは、やりたいことが山ほどある、あれも、これもと、だけど何もできないうちに終わってしまうのでは。適当に人生を送るなんてできない」と。


二人は遊覧船に乗る。ノートルダム寺院が美しい。「僕は君と一緒にいられるだけで幸せなんだ」

最後にセリーヌは彼のためにギターを弾きながら彼のためにワルツを歌う。
「私の心は死ぬまであなたのもの」と。

二人は結婚したかったのだ。9年前に、運命を恨んでも仕方がない。しかし二人とも大人になっていた。過去の一つの思い出として、それを懐かしむだけの術を心得ていた。


監督:リチャード・リンクレイター
脚本:リチャード・リンクレイター
   イーサン・ホーク
   ジュリー・デルピー
製作:リチャード・リンクレイター
   アン・ウォーカー=マクベイ
製作総指揮:ジョン・スロス
出演者:イーサン・ホーク
    ジュリー・デルピー
主題歌:ニーナ・シモン
   「Just In Time」
撮影:リー・ダニエル
編集:サンドラ・エイデアー
製作会社:キャッスル・ロック・
     エンターテインメント
配給: ワーナー・ブラザーズ
2004年制作のアメリカ映画です。


地球を救うDVD映画「薔薇の名前」 [映画]

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   薔薇の名前

 THE NAME OF THE ROSE
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「罪深き人生もようやく終わりに近づき白髪になった。」と、西暦1327年北イタリア修道院での出来事を話し始める。


話し手は老人だが、映画の中では当時15歳の少年である。

彼は修道院の中の一輪のバラの存在に気がついた。「この世でたった一人の恋人、その人の名前はもはや永遠に知ることはないだろう。」と、映画終了の最後の言葉は、彼女がバラだと理解される。人生の花は恋だったと言うのだろうか?


また、2000年間のキリスト教史の中で考え方の波乱があったことを知ることができる。

例えば、「笑いは罪」という考え方。
笑いによって世界が軽視される。そしてそれが増長され神を笑うことが許されてしまえば、人類は秩序のない混沌とした精神世界に住むことになる。


悪魔を恐れなければ神は必要なくなる。悪魔は人間の持っている邪心と読めばわかりやすい。


「知識とともに憂いも増える。地上に安らぎの場所はない。魂をしゃぶる恐竜がやってくる。」
人間は崇高な精神を持って邪心を追い払えといっているのだろうか?


「信仰と狂気は紙一重」
信仰が過ぎれば、それは近寄りがたい狂気になるということでしょうか?


「禁欲の生活には、平穏と安泰がある」
この言葉はショーン・コネリーが言うのであるが007と対比すれば面白い。


「女は死よりも苦い。神が女を創られたのなら女には何らかの美徳があるはずだ」
これはよく分かる。


「知識の歴史には進歩がない。歴史は絶え間なく続く、歴史は崇高な反復作業にすぎない」


「笑いが恐れを殺せば、もはや信仰は成立しなくなる。民衆が悪魔を恐れなければ神は必要ない。神を笑うことが許されれば世界はカオスに戻る。」


等々、刺激的な言葉が多いが、普段キリスト教など考えていなかったので、物事の本質を考える場合、切り込みが違うのでおもしろい。


キリスト教にはよく出てくる神と悪魔であるが、ほんの少し理解に近づいたように感じた。

いろいろ勝手なことを書いてしまいましたが後で恥ずかしく思うときがあるかもしれません。また少し時間をおいて見ようかと思っています。



監督:ジャン=ジャック・アノー
脚本:アンドリュー・バーキン
   ジェラール・ブラッシュ
   ハワード・フランクリン
  アラン・ゴダール
製作:ベルント・アイヒンガー
出演:ショーン・コネリー
   クリスチャン・スレーター
音楽:ジェームズ・ホーナー
撮影:トニーノ・デリ・コリ
配給:ヘラルド・エース
公開:1986年米国映画です。


地球を救うDVD映画「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かも知れない」 [映画]

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 ブラック会社に勤めてるんだが、
 もう俺は限界かもしれない
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映画の出だしは、交差点の真ん中で我らのマ男ちゃんが倒れるのです。普通に倒れるのではなく、とうとう力尽きてもうダメだと、前に向かって倒れるのです。これは一度見たら忘れられない芸術的な倒れ方です。題名にぴったりの倒れ方です。俳優の小池徹平さんは、きっとこの場面を何回も何回も練習したのでしょう。


さて、この会社はいわゆるソフト作成会社で、企業から注文のあったコンピュータにのせるソフトを仕様書に基づいてプログラムを作成する会社です。オフィスオートメーションが叫ばれてから、成長してきた典型的なブラックになりやすい会社です。

何がブラックかと言えば、就業時間はあってないようなもの、仕事が計画通りに行かなければ徹夜はあたりまえ、社員の扱いも人格を無視した言動、仕事を注文する会社も仕様変更などを勝手に気ままに行い、「いやならいいんだよ、他へ回すから」と弱みにつけ込む。


そうすると社員は人間の限界を超えるようなバイタリティで突進して仕事をこなす。そこには涙ぐましい努力の陰がある。また、がけっぷちで、一緒に働いた仲間意識も育っていく。


しかし、このような企業があったからこそ、日本は発展し、仕事の環境も改善されてきたのだろうと思う。
この映画が作られたのは2009年の話であるが、現在はどうなんだろう?


監督:佐藤祐市
脚本:いずみ吉紘
原作:黒井勇人
製作総指揮:豊島雅郎

音楽:菅野祐悟
主題歌:TOKYO MOOD PUNKS『ストロベリー』
撮影:川村明弘
編集:田口拓也
製作会社:ブラック会社限界対策委員会
配給:アスミック・エース エンタテインメント
公開:2009年11月21日
キャスト[編集]
マ男(大根田真男):小池徹平
中西さん(中西亜矢子):マイコ
リーダー(阿部道大):品川祐
藤田さん(藤田巧己):田辺誠一
上原さん(上原学):中村靖日
木村(木村翔太):田中圭
井出(井出哲也):池田鉄洋
瀬古さん(瀬古さだ子):千葉雅子 - 映画版オリジナル人物
柴田:須賀貴匡
とーちゃん(大根田真次):北見敏之
かーちゃん(大根田佳子):朝加真由美
社長(黒井策士):森本レオ

地球を救うDVD映画「きみに読む物語」 [映画]

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<2014年度信州なかのバラ祭り>
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 きみに読む物語

 THE NOTEBOOK
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たまには、米国の詩人、ホイットマンに連れられて散歩するのもいいと思います。

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愛するアリ、

僕たちは本当に終わってしまったんだね

でも、あの愛は本物だったって心から言える

もし将来どこかで大人の女性になった君に会えたら

僕は笑いかけるよ。

そして、緑の中で多くを学び、

愛をはぐくんだ夏を思い出すだろう

最高の愛は魂を目覚めさせ人を成長させる

心に火を付け精神に安らぎを与える

君がそれをくれた

僕も君にあげたかった

愛してる、また会おう

           ノアより


---*---*---*---*---*---

1940年のアメリカ南部シーブルックで、青年ノアと少女アリーのひと夏の恋から始まった。そしてそれは2人の人生を変えてしまった。

彼女は晩年話します。
人生はあっという間ね、飛ぶように過ぎる。
もう彼が誰だか思い出せない。

監督        :ニック・カサヴェテス
ノア・カルフーン役 : ライアン・ゴズリング
アリー・ハミルトン役: レイチェル・マクアダムス

2004年制作の米国映画です。


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地球を救うDVD映画「息子の部屋」 [映画]

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 息子の部屋

 THE SON'S ROOM
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これはイタリアのモレッティ監督のもとに作られた、平和な家族の生活の中で、息子が事故で死んでしまうことから、家族全員が嘆き悲しみ、その心のどん底から、生きることに一条の光を見いだしたことを表現した作品です。

「この世の中で一番辛いのは人との別れだ」と、私は何十年も前にテレビのドラマでやっていた台詞を思い出しました。

その時は、そんなことあるかいな?と、99%理解できませんでしたが、年齢を重ねるうちに、それは本当のことだと理解できるようになりました。

軽い知り合いとの別れから、友人、親友、恋人、親戚、兄弟、父、母、子供、妻とあり、生き別れ、死に別れ、また不慮の事故、病気、寿命などに分かれます。

いずれにしても、自分が関わった心の量で悲しみの度合いも変わってきます。

特に、心にかけていた人の死による決別ほど、悲しく、苦しいこはなので、そのことを前もって考えておくことは、あながち不謹慎でもないし、無駄でもないだろうと思います。


前置きが長くなりました。この、「息子の部屋」ですが、家族4人、冗談を言いながら親しく食卓を囲う、理想的な家族です。そこへ突然起こった息子の死、耐えられないことです。母親だったら、息子とともに嘆き死んでしまうかと思われるほどの辛さです。人生の無常を思い俗世間を捨て出家(しゅっけ)するかも知れません。

ある日、息子のアンドレア宛てに一通の手紙が来ます。アンドレアに思いを寄せていたガールフレンドからです。
母親のパオラや観ている私達は、愛する息子に思いを寄せていたガールフレンドに好意を持ちます。生きていたときアンドレが愛した女性、ああ、そのようにアンドレも生きていたんだと涙ぐむかも知れません。男友達が下で待っているということを聞くまでは。

この辺の感覚は国際的、人類愛的になれないと感じるのは私だけでしょうか。

また、ガールフレンドから、以前もらった写真だと言ってアンドレアの部屋、アンドレアの懐かしい笑顔、親もまだ知らなかったアンドレアの一面を見せられます。可愛い息子が確かに「青春を生きていた」ことを知ります。

2人(アリアンナとステファノ)は、ヒッチハイクでフランスへ行く予定でしたが、母親パラオから電話があり気になって寄ってみたと言うのです。父親のジョバンニは、家族共々、フランスの国境付近まで数百キロを車で送って行くことになります。この辺の感覚は、かつて息子が愛した女性だったからでしょうか?

明け方、フランス国境まで到着し、みんなは朝の爽やかな風と、広々とした海を見ながら、アンドレアの死から、家族がそれぞれ、安らいだ気持ちになりました。この辺がこの映画の見せ場だと思いますが、きっと強行夜中ドライブからの解放も手伝っているのかと思いました。


父親のジョバンニ:ナンニ・モレッティ
母親のパオラ  : ラウラ・モランテ
娘イレーネ   : ジャスミン・トリンカ
息子のアンドレア: ジュゼッペ・サンフェリーチェ

2001年のイタリア映画です。

地球を救うDVD映画「白いリボン」 [映画]

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  白いリボン
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「黄色いリボン」ではない。
親の目から見て、いわゆるよい子からはずれた子供たちを戒めるための一種の精神的体罰だ。「白いリボン」を親から付けられた子供は、心が直るまで、要するに親の目から見てよい子になるまでそれを外すことはできない。

この映画は数々の賞を取っていて、監督のミヒャエル・ハネケらしく明るい部分というものは少しもない。「サウンドオブミュージック」とは正反対の映画だ。時代は前者は第一次世界大戦前と、後者は第二次世界大戦中、場所は、オーストリアというから、ほぼ同じ場所だ。

「白いリボン」はとにかく暗い。その暗さは中世的なものからくるのだろうか。
神を中心に、農耕とともに生きて働き、生活を過ごしていく。お祈り、糧、教育、そこへ暴力、復讐、性が入り込む。

人間の持つ様々な暗い性状(嫉妬、恨み、怒り、思い上がり、貪欲、猜疑心、邪淫等々)を掘り下げて、強調しても、人間の生きる希望は見いだせるだろうか?生きるに足る地球だと理解できるだろうか?答えはノーだと思う。

私は「サウンドオブミュージック」に軍配を上げる。まだこちらの方がいいという考えだ。

白いリボン:2009年制作。
監督:ミヒャエル・ハネケ。
第62回カンヌ国際映画祭パルム・ドール、
第67回ゴールデングローブ賞外国語映画賞
他、多数の映画賞を受賞。



地球を救うDVD映画「小川の辺」 [映画]

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  小川の辺
 おがわのほとり
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藤沢周平原作「小川の辺」の映画を観る。このような映画は安心してみていられるのと同時に、これで良かったんだと自分で納得するものがあるから不思議だ。

戌井朔之助(いぬいさくのすけ)が、もっと他のやり方があったのでは、と述懐しているように、上意討ちになってしまった佐久間は正しいことであればどこまでも貫き通すというのは思慮が足りないところがある。

事は2年越しの凶作のため、農民も困り果て、それを指導している城中のの農政も混乱していた。そこへ、佐久間という一家来が藩の農政に関する意見書を書き、お上と執政官、鹿沢尭伯を手厳しく批判した。

お上は自らの方策の誤りを認め改革に乗り出した。しかし、無礼千万とお上の怒りは収まらなかった。佐久間は、上意討ちとなって追われる身になった。

討ち手に選ばれたのは戌井朔之助(東山紀之)である。そして、佐久間の妻(田鶴)が、朔之助の妹であるため話がややっこしい。最悪兄と妹が斬り合いをしなければならない修羅場がまっている。

また、定番の山、雲、風、夕日、小川の音、風の音と日本の自然の美しさを見せる。

また、日本の美意識の中には雨が欠くべからざるものだが、雨に濡れた木々や自然の風景は、ことのほか美しい。

普段に飲むお茶やその入れ方、立ち振る舞い、これらも日本の美意識に入れても良いのだろう。

上意討ちで2人が剣を合わせる。太鼓の音が小気味よい。まるで2人の鼓動を表現しているようだ。

結果的には上意討ちが成功し戌井朔之助は故郷へ帰る。この事情を知っていたかのように自宅の庭の花もきれいに咲き始めた。

まことに、藤沢周平作品はお茶の間でお茶を飲みながら自然の美しさや、我々の日常の襟を正すような武家の立ち振る舞い、加えて手に汗は握らないが、どきどきする剣と剣の責め合い、休みの夕飯後を過ごすには格好の家庭映画でした。


戌井朔之助 :東山紀之
佐久間森衛 :片岡愛之助
田鶴    :菊地凛子
新蔵    :勝地涼
幾久    :尾野真千子
戌井忠左衛門:藤竜也
以瀬    :松原智恵子
助川権之丞 :笹野高史
鹿沢尭白  :西岡徳馬

監督:篠原哲雄
脚本:長谷川康夫、
飯田健三郎
原作:藤沢周平
2011年公開された映画です。

地球を救うDVD映画「RAILWAYS] [映画]

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 RAIL WAYS
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最高の夢の場所。
努力すればかなう夢もある。

母親は、子供がうれしそうにしているのが一番。

大手のメーカーを49歳で退職して、地方の電鉄の運転士になった男の物語だ。

安全を維持管理する厳しさの反面、田舎のゆっくりとした時間の中で都会では味わえない、ほのぼのとしたものをを享受できる生活。

また、家族、地域の人たちの心の通った会話、四季折々の自然の風景、トラブルに対してもみんなでよりよい方向に進もうと努力する、そういう生活の中に時間通り電車は走っていく。

日本の原風景だ。

監督:錦織良成
脚本:錦織良成
   ブラジリィー・アン・山田
   小林弘利
製作:加太孝明、百武弘二
   野田助嗣、平城隆司他
製作総指揮:阿部秀司
出演者:中井貴一
    高島礼子
    本仮屋ユイカ
    三浦貴大
    奈良岡朋子
2010年 松竹制作

地球を救うDVD映画「コン・ティキ」 [映画]

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 コン・ティキ

  KON-TIKI
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この地球に生まれて、生きて、心の底から、本当に心の底から笑える喜びというものは、どのようにして発生するのか、これは一つの結果である。


トール・ヘイエルダールは当時定説であった、ポリネシア人のアジア渡来説を否定し、南アメリカの人々が1500年前、ポリネシアへ渡ったのだということを証明しようとしていた。

彼は、ポリネシアの祖先であるティキを信じ、バルサ材で組んだ筏と海流と風だけをたよりに1947年、ペルーから8000km離れたポリネシアを目指すという。これを信じて乗組員になった各々は次の命知らずの男達だった。

1)ヘルマン
冷蔵庫を販売していた。

2)トルステイン
戦争の英雄でウィスキーと女に弱い無線技士。

3)クルード
戦争の英雄で伝説の男、無線技士。

4)エリック
仲間の中で唯一、航海の経験あり。

5)ベングド
アマゾンで1年過ごした経験あり。民族史学者。

6)トール
強情で傲慢で馬鹿げた野心家。みんなのリーダー。

雑誌社から資金提供を断られたトールはペルーの大統領に会い、ペルー人が最初にポリネシアに渡ったという仮説を証明しようと資金援助を申し出た。これが受け入れられ、100日の計画でペルーからポリネシアへと筏に乗って旅をするのである。

執拗に追われるサメからの恐怖、筏より大きい魚の不気味な動き、木の葉のように嵐にもまれながら命からがらの戦い。

カミソリのようなラロイヤ環礁を越えようとしていたとき、トールは海に投げ出され、もうこれで死ぬのかと気を失いかけた。そのとき、遠くからトール、トールとかすかに呼ぶ声がした、トールは耳を傾けた。国に残してきた恋人のリヴの声だった。

彼らの友情、それから計画を実現し、仮説を身をもって証明したこと。これを世に問い、今までの定説を塗り替えたこと。

トールは、考古学者作家として探検を続け、2004年87歳でなくなった。
冒険は人の心をときめかす唯一の行為だ。これに真剣になれる人こそが幸福である。
(冒険は様々あるが。)

監督 : ヨアヒム・ローニング
脚本 : アラン・スコット
出演者
ポール・スヴェーレ・ハーゲン
アンドレス・バースモ・クリスティアンセン
オッド・マグナス・ウィリアムソン
アグネス・キッテルセン
グスタフ・スカルスガルド
ヤーコプ・オフテブロ
トビアス・サンテルマン

2012年のノルウェーの歴史映画である。


地球を救うDVD映画「花のあと」 [映画]

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 花のあと
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藤沢周平の作品と言えば、自然の美しさ、そこに登場するホロリとする人情の厚さ、そして息をのむ剣さばきという3要素が必ず整っている。

この「花のあと」も例外ではない。

物語は満開の桜とお以登(いと)さまという結婚を間近に控えた女性から始まる。

お堀端の桜は、水面に触れそうに伸びた枝振りが美しい。その美しい桜がすぐ散ってしまうことに及んでは、美しさのはかなさに、お以登も心が立ち止まってしまう。


一度、練習試合で竹刀を会わせただけであった江口孫四郎とお以登は、特にお以登は心に強い衝撃を感じた。

江口孫四郎は平藩士の三男坊であったが、剣においては城内随一の使い手であり人望も厚かった。かたや、お以登の方は組頭の一人娘で父に幼少の頃から剣の手ほどきを受けていた。どちらも剣士として強く評判も高い。

しかし、「江口にかかっては子供同然だな」と父(國村隼)に評せられる。そして、二度と会うことを禁じられる。なぜなら、お互いは既に結婚する相手がそれぞれ決まっていたからである。

父親は成長した娘の立ち振る舞いを見て、離れていく娘に悲哀を感じている。この辺はサラッと流しているのでなおさら父親の気持ちが表に出る。

日本の春夏秋冬の風景、山、川、樹木、空などの美しさが、話の合間合間に映し出され、それが人の心にも織り込まれていく。

父はお以登に「武家の妻として必要になるかも知れん」と小刀を与える。これが重大な伏線となっている。

事件は藤井勘解由(かげゆ)の個人的な悪辣さが原因である。また、時代の道徳観もあるだろう。勘解由にとっては直情一心な若者など、赤子の手をひねるようなものだったに違いない。

孫四郎は、内藤家の婿に入り、奏者番という取り次ぎの役目を与えられる。

孫四郎は、江戸城の老中に藩窮乏のため使役を和らげる請願書を持っていく役目を仰せつかったが、勘解由にだまされ、手順を一つ間違えてしまった。

この失態により藩に恥辱を与えた、また周りに迷惑をかけたと、これを孫四郎は自らの命をもって償った。

武士として生まれながら、仕事がなく、一生厄介者として暮らせねばならん平侍。家督を相続できない孫四郎が、奏者番という役目を得、藩のために働くことができるようになった。たとえ妻と上司が不倫していても、男であれば、みずから心を殺し覚悟を決めるのもあながち無理ではなかっただろう。


勘解由は先手を打った。不倫、賄賂、汚職と、将来ゆくゆくは孫四郎により窮地に落とされるなら、先に孫四郎を亡き者にと、勘解由は奏者番のお役目の中に罠をかけたのだった。

これで、お以登の敵討ちの大義名分が整う。
淡い恋心を抱いた孫四郎のために義憤を爆発させる。


時代劇はそれなりの見せ場がある。剣による命の渡し合いである。お互いに、瞬時の駆け引きを命がけで行う。実行する方も見ている方も時間を忘れて心臓の鼓動も早くなる。

藤沢周平には独特の剣法があり、それが決定的な最後を際立たせる。これは定石だ。

お以登さまも、もはやこれまでかと思ったが、以前、父親からもらった小刀が勝負を決める。
見ている方は、これによってスカッとすると同時に、そうだったんだと安堵する。

最後はお以登の婿に入る才助殿がすべてを丸く収める。
何もなかったように、平凡な日々が平和な日々がやってくる。やはり才助のような人物の方がお糸には合っている。さすがに父親は娘の行く末をよく見ているなあ、と感心する。

そして、観ている者は物語の中の彼らを愛してやまない。

以登    :北川景子
片桐才助  :甲本雅裕
江口孫四郎 :宮尾俊太郎
藤井勘解由 :市川亀治郎
寺井甚左衛門:國村隼
監督    :中西健二

2009年の東映作品である。

地球を救うDVD映画「奇跡のシンフォニー」 [映画]

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 奇跡のシンフォニー 
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心を開けば聞こえてくる
心を澄ませば聞こえてくる

風の声、麦の声、空の声、

音楽が心にわき起こる
そして、音楽を信じる

心に響く音楽に従った
音のかけら、心のかけら
希望はどこから聞こえてくるのだろう。

音楽があればどんな感情でもはき出せる。

音楽は常に私達を魅了し、人と人とを結びつける
語らずとも、会わずとも。

これは、音の化身とも言えるオーガストの心を
ほんの少し垣間見た作品です。

原題 : August Rushは、2007年公開のアメリカ映画。
主演 : フレディ・ハイモア
監督 : カーステン・シェリダン
脚本 : ニック・キャッスル
     ジェームス・V・ハート
原案 : ポール・カストロ

音楽に魅了されるあなた、何百年も前のある哲学者の言うことに、音楽だけが最も神に近づける方法だそうです。
どう思いますか? 私はクリスチャンではありませんが。


地球を救うDVD映画「チャイルド・コール」 [映画]

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=== チャイルド・コール ===
   BABYCALL/THE MONITOR

今の私が考えるべきなのは私の一人息子のアンディッシュのことだけなのだ。 あの子がいなくなったら、私はこの世界に生きている意味は無い。私の腕の中に、あの子が預けられた時、逃げてアナ!アンディッシュを連れて、一緒に逃げるのよ、この子を救えるのは、この世にあなた一人だけ。でも私は逃げることができなかった。次は必ずあいつらから逃げてみせる。その日は遠くない。』

ノルウェーの監督ポール・シュレットアウネ
主演女優:ノオミ・ラバス
製作年度: 2011年

北欧の世界にも、虐待が問題になることはアルのだろうか?社会保障も優れて、経済的な問題が取り除かれると
後は、人間の精神の問題が頭をもたげるのでしょうか?

恐怖から逃れるために窓から飛び降りるという母親の精神状態。


ただただ、サイコとして観る映画ではないでしょう。
幸福の正反対から生まれ出る精神は、心の平和を求めているにちがいない。私は、自殺者など出ないよい国を作りたい。

地球を救うDVD映画 「酔いどれ詩人になる前に」 [映画]

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 地球を救うDVD映画 「酔いどれ詩人になる前に」
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この映画は多分チャールズ・ブコウスキーの自伝的なものだと思う。

長い間ニューヨーカー誌に投稿していたが、
やっと一編の作品が採用になり、それまでの過程を描いたのだろう。

最後のところで、私たちを勇気づける言葉を連ねている。

俺のライバルは唯一俺自身だ。
もしか何かやるんだったら徹底的にやれ、でなきゃ、やるな。

そのために、恋人や妻を失うかもしれない。
また、親戚や、定職や、正気すらも失うかもしれない。
3、4日、飯にありつけないこともあるだろう。
公園のベンチで凍え、留置所にぶち込まれることもあるだろう。
人に冷笑され、徒労感や孤独感を味わうだろう。

だが、孤独は贈り物だ。他は忍耐力テストだ。
いかに本気なのか試されているのだ。
拒絶や確率の低さをものともせず、
やり遂げた時の素晴らしさは格別だ、最高の気分にひたれる。

世界は自分と神々だけになり、夜は火と燃える。

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地球を救うDVD映画 「セルラー」 [映画]

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今月の掘り出し映画はこれだ!

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== セルラー  ==
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映画を見終わってこのさわやかさは一体なんだろう?
久しぶりの経験だ。
それに、両手に力を入れれば、握りこぶしで、窓ガラスもワレルだろう。

ノー天気な女の子にも振られる有様だが、
丈夫な体があって、 心が厚く、健康で優しく、機転もきく。
我々大人はこのような子供たちを育て、人間を育てなければ
なければダメだ。そうすればきっと、いい世界がやってくる。

前置きが長くなったが、映画の題名は「セルラー」

ジェシカに扮するキム・ベイシンガー
ライアンに扮するクリス・エバンス
イーサンに扮するジェイソン・ステイサム
ボブ・ムーニーに扮するウィリアム・H・メイシー
監督デビッド・R・エリス
と、その他大勢で繰り広げられる活劇ドラマだ。

今の時代に小気味よく携帯電話(スマホではない)の小道具が使われて、
これなしでは話が展開しない。

ある日ある時ある場所で、いきなり強盗らしき人物が家に入ってきた。
中にいるのはジェシカ、強盗?はあるものを探している。
それが手に入らなければ、一家三人は殺される。
携帯が鳴る、車が走る、弾丸が飛び交う、

ここから、われらがライアンの登場だ。
迫り来る恐怖、スピード、機転がつぎつぎと。

この世の中には、悪い奴はいっぱいいるが、いいやつもいっぱいいるのだ。
捨てたものではない。


見ておきたいDVD映画 キングの「ペット・セメタリー」 [映画]

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今日ご紹介するのは、スティーヴン・キングの「ペット・セメタリー」という映画だ。
この映画が作られたのは1989年というからもうすでに25年の歳月がたっている。

私が初めてこの作品に接したのは、上巻下巻2冊の文庫本だった。初めのうちは
読むのもめんどくさい作品だと思ったが、中頃から、飛ぶようにページをめくった。

さすがスティーヴン・キング、読者を引っ張る力はピカイチだ。その後私も彼の
ファンになって、手当たり次第に読んでいった。なかなか面白い。思い悩んでいる
人生を忘れさせてくれる。

彼の作品は、そんなことありえないことだということを
昼間でも、目をつむっても、現実味をかもし出して、読者に迫ってくる。
これは、文体とゆっくりゆっくり言葉が醸造する酒のせいか。

この「ペット・セメタリー」も私は彼の数ある作品の中で一級品と心得ている。
この辺で書くのをやめたほうがいいのだろうか?
でも、もうホンの少し話させてください。
人生の中で、愛して愛してやまないかけがいのない人の死にあなたが
遭遇したと考えてください。目をつむって、想像するだけで結構です。

あなたは、このかけがいのない人をもう一度、腕の中に抱きたいとは思いませんか?
生き返って欲しいと願いませんか?

それが現実に起こったのです。
そんなばかな、ありえない! 絶対にありえない!
そう思うのはあたりまえです。

ところが、スティーヴン・キングの手にかかると、「えー? えー? そんな?」
となるのです。
こういう人を魔術師というのですね。
いいではありませんか。たまには、彼の手の上にのってみるのも

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